2018年01月12日

冬こそ訪れたい、海洋博公園 熱帯ドリームセンター Tropical Dream Center at Ocean Expo Park in Okinawa

2017年クリスマスから年末年始にかけて、天候にも恵まれて暖かい日が続いていましたが、成人の日を境に気温も下がり始め、沖縄にも本格的な冬が到来しました。1月の平均最低気温は13度〜14度ほどですが、どんより曇り空で強風の日も多い冬の沖縄では、気温が14度の時でも体感温度は零度〜4度と言う事もしばしばあります。

そんな南国沖縄が極寒の地と化した時にも色鮮やかな熱帯植物を楽しめるおすすめの場所が、海洋博公園内にある、その名も「熱帯ドリームセンター」です。年末に手にしたチラシで知った展覧会、『ウィルソンが見た沖縄 ー琉球の植物研究史100年とともにー 』の巡回展が熱帯ドリームセンターで2017年11月3日〜2018年1月7日まで開催される事を知り、正月、集まった家族と一緒に久しぶりに熱帯ドリームセンターへ出かけました。

During the winter, there are many days with cloudy skies and strong north winds blowing in Okinawa and the place becomes far from "tropical island". However, at Tropical Dream Center in the Ocean Expo Park in Motobu Town, you can enjoy flora and fauna of tropical and subtropical regions all year around!

華やかなランの温室
Greenhouses of Beautiful Orchids


熱帯ドリームセンターへ私が最後に来たのは十数年前でした。色々な場所が目まぐるしく変わる沖縄で、ドリームセンターに入ると、建物やクロトンパティオに置かれたタイル張りのベンチが20年ほど前と変わらず、懐かしくほっとします。

[1].JPG


順路に沿って進むと、一番最初にある温室が「ファレノプシス温室」で、日本では「胡蝶蘭」の名で親しまれているランです。温室に入ると、白の胡蝶蘭の壁が出迎えてくれます。

[2].JPG


温室内にはランの他にもヒカゲヘゴや園芸店などで見かけるアンスリウムなどの熱帯の観葉植物もあります。先へ進むと、ピンク、オレンジ、黄、斑点模様など、色鮮やかな胡蝶蘭が温室内を彩ります。

[3].JPG


葉の形が鹿の角に似ている事からビカクシダ(鹿角羊歯)と呼ばれる別名コウモリランの立派な株を見ていると、温室内にいた職員の女性が「上向きの葉と下向きの葉にそれぞれ違う役割があるんですよ」と教えてくれます。この日は参加しなかったのですが、ドリームセンターでは無料のフラワーガイドツアーや熱帯植物学習・観察ツアーも行っています。また、チケット売り場では「PDA音声ガイド」の貸し出しも無料で行っていて、時間に縛られずに自分のペースで見て回れるのでおすすめです。

ファレノプシス温室の後は、土を必要としない着生ランの「バンダ温室」、甘い香りに包まれた華やかな「カトレア温室」へと続きます。

[4].JPG


[5].JPG


ランの温室内では、香料になるバニラや沖縄島固有種で絶滅危惧種のオキナワセッコクも栽培・展示されています。

Right after entering the Tropical Dream Center, there are three greenhouses of different genera of orchids: Phalaenopsis Greenhouse, Vanda Greenhouse, and Cattleya Greenhouse. There are so many different colors and shapes of beautiful orchids displayed in the greenhouses and some of them are rare and/or endangered species. To get information about plants and the facility, you can get free rental Personal Digital Assistant (PDA) device in Japanese, English, Korean, Simplified Chinese and Traditional Chinese at the ticket booth at the entrance.

不思議な果物がいっぱい、果樹温室
Fruit Tree Greenhouse


ランの温室を抜け表へ出ると、ピンク、紫、オレンジ、黄緑と鮮やかな色彩のブーゲンビリアやコリウスが空間を彩り、ネッタイスイレンが浮かぶロータスポンドもあります。ネッタイスイレンは、この時期でもピンクや紫の花を咲かせています。

[6].JPG


ロータスポンドを後にして、熱帯果樹が栽培されている暖かな果樹温室へ入ります(寒い日はまさに楽園です!)。鳥の声が熱帯の森を演出するこの温室内では、世界一大きな果実と言われる人の頭ほどの大きさのパラミツ(ジャックフルーツ)や丸い実が砲丸に似ている為、ホウガンボクと呼ばれる木、チョコレートの原料になるカカオ、その他、沖縄の道の駅などで時折目にするスターフルーツやカニステルなども展示されています。

[7].JPG
カカオの実は、熟すと黄色いフットボールのようになる。
Fruit of Cacao


Outside of the Cattleya Greenhouse, there are colorful bougainvillea and coleus around the Lotus Pond. I was surprised to see pink, purple and white Tropical Water Lily flowers in bloom under cold January sky. Walking into Fruit Tree Greenhouse, you will see interesting shapes and names of tropical fruits. I was able to see cacao, which is the ingredient of chocolate, bearing fruits on the tree!

回廊とバベルの塔
Gallery and the Tower


[8].JPG


熱帯ドリームセンターの一番奥にある回廊で、目的の展覧会が行われていました。この展覧会は沖縄県立博物館・美術館と一般財団法人沖縄美ら島財団の主催で行われたもので、英国人プラント・ハンターのE.H.ウィルソンが1917年(大正6年)に沖縄で撮影した写真が大型印刷で展示されていました。

立派な琉球松並木の宜野湾街道や、砂浜に並ぶサバニがのどかな名護湾、嘉手納の比謝矼、そして瓦屋根や茅葺屋根の民家が立ち並ぶ那覇の垣花など、在りし日の沖縄の人々や植物、美しい風景が写真に収められていて感動しました。

この回廊横には軽食やドリンクが楽しめるカフェ「スコール」もありますが、回廊隣にある展示室の先、催物展示室内には、飲食OKの休憩コーナーもあります。

[9].JPG


空調の効いた室内なので、寒い日も暑い日もゆっくりできる穴場スポットです。この日はおせち料理を弁当にして持って来ていたのでここでゆっくり、くつろぎました。

[10].JPG
休憩コーナー隣にあるやんばるの森を紹介するコーナー
Exhibition hall of Yanbaru Forest


この後、熱帯ドリームセンターのシンボル、高さ36m(約8階建ての高さ)の遠見台へ階段で登りましたが、頂上へ着いた時にはかなり息切れしてしまいました(エレベーターも有)。

[11]2.JPG


[11].JPG


ここからは古代遺跡のようなドリームセンターの建物や東シナ海を一望でき、中庭中央のチューリップ畑がハート型になっている事に気が付きます。

ところで、初めてこの遠見台を見た時には「バベルの塔だ」と思いました(熱帯ドリームセンターは1986年に開園)。以前は、回廊に黒ヒョウのオブジェも置かれていて、まさに子供の頃に見たアニメ「バビル2世」を彷彿させる場所でした(昭和!)。

Gallery is located at the far end of the Tropical Dream Center and there are African Baobab trees at the center of the Gallery. Seeds of baobab tree were planted in 1979 and the flowers bloomed in 1999 for the first time in Japan. And then, the tree bore fruits in 2000 also for the first time in Japan. Right next to the Gallery, there is Cafe Squall where you can have light meals, drinks, and desserts. Also, near there, there is Exhibition Room for Events with rest space with AC on. You can climb 36m high observatory tower next to the Gallery to enjoy view of East China Sea with Ie Island, Sesoko Island and Izena & Iheya Islands (elevator is also available ).

中庭とビクトリア温室
Courtyard and Victoria Greenhouse


遠見台を下りて、中庭へ向かいます。むき出しになった土の間から小さなチューリップの芽が出ています。2018年1月13日(土)〜 28日(日)にかけて開催される「チューリップフェア」の為に8万株の色とりどりのチューリップが植えられているそうです。

[12].JPG
中庭のチューリップ畑と果樹温室 
Tulip field at the Courtyard and Fruit Tree Greenhouse


熱帯ドリームセンターではこの他にも様々なイベントが年間を通して行われていて、毎年1月後半から2月前半頃に開催される「国際洋蘭博覧会」は2018年に32回目を数える、国内では最も古いラン展だそうです。ちなみに、今年の洋蘭博覧会の開催期間は2月3日(土)〜 12日(月)です。

中庭を通過した後は、アマゾンの熱帯植物や魚が観察できる「ビクトリア温室」へ入ります。

[13].JPG


温室内には池もあり湿度が高く、この日は目にしなかったのですが、葉が1m以上になって子供が乗っても沈まないという、パラグアイオニバスなどの水生植物や湿性植物、そして食虫植物も展示されています。

温室の地下からは、この池にいる珍しい魚を観察する事もできます。生きた化石とも呼ばれる、体長約2.5mの巨大魚「ピラルク」は鎧の様な銀色の顔がピクリとも動かず、始めは置物かと思いました。このすぐ後にタイミングよく餌の時間になり、泳ぎ回る姿を見ることができました。

[14].JPG
こわもての顔も正面からみると愛嬌がある。「コンニチハ!」
Pirarucu says "Kon-nichiwa!"


自然界では、大きいものは体長5mほどにまで成長するそうで、硬くて大きなウロコは靴ベラとしても利用されるそうです。

There are many events held at the Tropical Dream Center throughout the year.
Between 13 - 18 January 2018, "Tulip Fair" with 80,000 tulips will be held and "Okinawakokusaiyoranhaku*kai 2018 (Okinawa International Orchid Exhibition 2018)" will be held between 3 - 12 February 2018. After passing the Courtyard, there is Victoria Greenhouse where you can observe tropical aquatic plants and fish. From the basement of the greenhouse, you can see 2.5m long "Pirarucu" (Arapaima gigas) and other interesting fish of the Amazon.

ロータスポンド
Lotus Pond


ビクトリア温室の外は、果樹温室に入る前に見たロータスポンドの反対側です。天気が良ければ、モネの『睡蓮の池』気分にひたって、池の周りにあるベンチに座ってぼんやりするのも気持ち良さそうです。

[15].JPG


[15]2.JPG


[16].JPG


「熱帯ドリームセンターTOUR GUIDE」パンフレットによると、園内は標準コースで約1時間、短縮コースで約30分と案内されていますが、ここへたどり着くまでに2時間程経っていました。見どころが沢山ある熱帯ドリームセンターは、時間をかけてゆっくりと見て回りたい秘密の園のような場所です!

2018年1月時点の入場料は大人690円、小人350円、六歳未満入場無料です。尚、水族館チケットを提示で、割引料金の大人340円、小人170円で入場できます。また、無料入館日や休館日も設けられているので、前もって海洋博公園ホームページで確認する事をおすすめします(熱帯ドリームセンターは2018年2月1日(木)と2月13日(火)は休館日です!)。
車で来園する場合は、ドリームセンター入口すぐ近くにある駐車場P8が便利です。

Outside of the Victoria Greenhouse is the other side of Lotus Pond that you saw earlier. It is peaceful place and reminds me of Monet's Water Lilies. There are benches around the pond, so if the weather is good, this will be a nice place to daydream. As of January 2018, the admission fees of the Tropical Dream Center are 690 yen per adult and 350 yen per child (5 years old and younger will be free). If you have Churaumi Aquarium ticket, you can get discount price: 340 yen per adult and 170 yen per child. There are also free admission days and closed days, so better to check Ocean Expo Park website before you go (Tropical Dream Center will be closed on 1 & 13 February 2018!). Parking Area P8 is located very close to the entrance of Tropical Dream Center.   

熱帯ドリームセンター(海洋博公園管理センター)
住所:沖縄県国頭郡本部町字石川424番地 
電話:0980−48−2741 
Fax: 0980−48−3339

Tropical Dream Center (Ocean Expo Park Management Center)
Address: 424 Ishikawa, Motobu, Okinawa
Phone: 0980-48-2741
Fax: 0980−48−3339

ラベル:やんばる 自然
posted by Misa Alta at 22:42| 沖縄 ☁| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月20日

「塩屋富士」に十里の長城「猪垣」、大宜味村の沖縄遺産! "Shioyafuji" and "The Great Wall of Ogimi" in Ogimi Village, Okinawa

アルゼンチン人の友人が沖縄を離れる事になりました。エネルギーの塊のような人で、彼女のように仕事も遊びも120%の全力投球で楽しむ人には初めて会いました。沖縄や日本の文化にも関心を持つこの友人が沖縄を離れる前に、大宜味村にある「塩屋富士」と「猪垣(やまししがき)」を見に行く事になりました。

My Argentinian friend is leaving Okinawa. She is a very energetic person and I had a lot of fun and great time with her and other friends whom I met through her. We decided to go climb Shioyafuji (Mt. Fuji of Shioya) and see The Great Wall of Ogimi before she leaves Okinawa.

六田原展望台からの眺望
Mutabaru Lookout Point


猪垣を見に行く数日前、大宜味村付近を地図で見ていると、塩屋湾の近くにある「六田原(むたばる)展望台」の表示が目に入りました。犬を連れて早速向かいます。塩屋湾沿いにある屋古(やこ)と田港(たみなと)の集落の間にある道を高台へ向かって登ります。

沿道のトックリキワタは大きく鮮やかなピンク色の花を咲かせています。

[1].JPG


坂を上り詰めると、車が止められる開けた場所がありますが、周囲には荒廃した建物が点在していて一瞬不安になります。

ドアの壊れた建物の横を通って展望台の方へ歩いて行くと、それまでのさびれた景色とは打って変わって、眼下には塩屋湾と湾沿いの道路、塩屋橋そして宮城島が見えます。西側には本部半島、屋我地島、古宇利島、そして東側には緑の森の向こうに太平洋を望む絶景が広がります!

[2].JPG


A couple of days before I took her to see Shioyafuji and the Great Wall, I went to Mutabaru Lookout Point near Shioya bay in Ogimi Village. From the lookout, you can enjoy beautiful view of Shioya bay, shioya bridge, Yagaji and Kouri Islands, and Motobu Peninsula!

大宜味村の散策道
Footpaths in Ogimi Village


絶景を堪能した後、展望台周辺を散策してみます。2、3日続いた冷え込みのせいか、ヒカンザクラの木に数輪の花が咲いています。

[3].JPG


近くには村が設置した「散策道の案内板」と「大宜味村の猪垣」についての説明があります。それによると、散策道の途中には「塩屋富士」や、万里の長城ならぬ「十里の長城」があるとの事。この「沖縄遺産」を数日後に沖縄を離れる友人を誘い見に行く事にしました。

「大宜味の石灰岩の山と森 散策道ウォーキングマップ」によると、散策道は「塩屋富士ルート」、「ぶながや広場ルート」、「ボウジムイルート」、「ネクマチヂ岳ルート」の4つのルートに分けられています。

[4].JPG


六田原展望台近くの「塩屋富士ルート」にはルート沿いに塩屋富士を始め、猪垣とよばれるイノシシが農耕地へ侵入するのを防ぐために造られた石垣があります。ウォーキングマップによると、塩屋富士ルートの距離は2.0Km、所要時間約2時間半です。

After enjoyed great view from the lookout, I walked around the area where some eerie abandoned buildings stood and found information boards of Footpaths and The Yamashishigaki of Ogimi Village. According to those, Yamashishigaki is a stone wall that was first built around 1605 when sweet potatoes were brought to Okinawa. The potatoes became a staple crop and to prevent wild boars (yamashishi) to enter the fields, villagers built the wall. Also, there are four footpaths around the area: Shioyafuji Route (purple), Bunagaya Route (green), Boujimui Route (orange), and Nekumachiji Route (pink). Along Shioyafuji route, there are Yamashishigaki and Shioyafuji. The distance of the trail is 2.0km and estimated time required to walk is about 2.5 hours.

大宜味村の「十里の長城」
The Great Wall of Ogimi


トレッキングの参加者はアルゼンチン人の友人の他に日本人の友人、そして私と犬です。

この日本人の友人とは、2016年に南米ペルーのアマゾン川流域の熱帯雨林をトレッキングし、マチュ・ピチュ遺跡にも行きました。その時、小さな沖縄の自然や文化がアマゾンにもマチュ・ピチュにも引けを取らず素晴らしい、としみじみ感じたのを覚えています。

この日のトレッキングは、六田山登り口から出発する塩屋富士ルートです。入口からいきなり上りの階段が続き、50mも歩かないうちに、全員「きつい〜」「疲れた〜」の連発です。そうこうしながら歩いていると、コンクリート製の杭で作られた階段が天然の石の階段に変わります。これは猪垣と同じ頃に造られたものでしょうか? 

[5].JPG


散策道沿いには様々な形や模様の奇岩が立ち並びます。しばらく進むと「大宜味村の猪垣」の案内板があり、石灰岩を積み上げた石垣が散策道沿いに現れます。

[6].JPG


[6]2.JPG


[6]3.JPG
古代文字のような不思議な模様が入った岩!

    
大宜味村のホームページによると、全長約31kmの猪垣は村指定の文化財 (村指定距離約1.3km) で「十里の長城」とも呼ばれ、大宜味村全域を囲むように築かれたそうです。琉球王国の正史『球陽』にも、1776年から1782年にかけて行われた猪垣の大々的な補修工事について記録されているそうで、芋が作物として沖縄に定着した1605年頃に初めて猪垣が構築されたと考えられているそうです。

On the day of trekking, my Argentinian friend, our Japanese friend, my dog and I started to walk from Mutayama Entrance of Shioyafuji Route. First, we had to go up long stairs and this made everybody tired right away. There are big and small rocks with interesting shapes and patters along the trail. After a while, the Yamashishigaki appeared in front of us. According to Ogimi Village website, a part of the wall is a cultural property of the village and the 31km long wall is also described as "Juuri-no-chojo (the Great Wall of Ogimi)".

塩屋富士登頂
Climbing Shioyafuji


やんばるの森の中には様々な植物があります。散策道の途中にはこれらの植物の名前や特徴などが記された札も設置されていています。

[7].JPG


石灰岩を覆うように大木が根を張り、馴染みの植物の他に、普段見たこともない花が咲き、倒木にキノコが生えています。足元にどんぐりが落ちているかと思えば、木の上には沢山のシークヮーサーの実がなっています。

[8].JPG
熟したシークヮーサーは 散策中の喉の渇きを癒すのににぴったり!


[9].JPG
シラタマカズラ
Psychotria serpens L.


出発して660m地点の休憩広場に着くと、早速水分補給です。ピクニックテーブルの横にはヤマモモの大木があります。初夏には枝もたわわに実をつけるのでしょう。数分休憩をして、出発します。イノシシかマングースの匂いがするのか、犬は鼻をクンクンさせて辺りを警戒しながら進みます。

途中で反対側から歩いてきたグループとすれ違います。塩屋富士はすぐそこだと教えてもらい、数分後、1020メートル地点にある休憩広場へ到着です。広場の横に「塩屋富士展望広場 標高317.4m」の標識がありますが、周囲は相変わらずのジャングルです。開けて見晴らしのいい場所を想像していたので、頂上へついたのかどうか分かりませんでしたが、国土地理院の四等三角点の柱石が設置されているので、どうやらこの場所が富士山頂のようです。

[10].JPG


There are many interesting trees and plants in the woods. Tree roots cover a large piece of limestone and beautiful flowers in bloom along the trail. We found wild shiikuwasaa tree with fruits, which are more like lime than tangerine. We picked a ripe shiikuwasaa to quench thirst during the trekking. When we got to the second rest area on the trail, we found a sign says "Shioyafuji Lookout Area 317.4m above sea level", but the area was covered with vegetation, and could not see much view from there.

イギミハキンゾー登り口
Igimihakinzo Entrance


散策道中間地点にある塩屋富士を後にします。猪垣沿いを進み、しばらくして小さな広場に出ると、その先は下りの階段に変わります。ここが塩屋富士ルートの最終地点で、ぶながや広場ルートへ続く中継地点です。ここまで約1時間かかったので、車へ戻る為に引き換えす事にしました。さっきまで出ていた太陽が隠れて、風も強くなってきました。帰り道は行きよりも距離が短く感じられます。

[11].JPG


六田山登り口へ戻り、車でボウジムイルートとネクマチヂ岳ルートの登り口がある、イギミハキンゾーへ移動しました。この日はイギミハキンゾーにある展望台から景色を眺めただけでしたが、それぞれ0.7kmと0.9kmで所要時間約1時間のルートなので、比較的気軽に楽しめそうです。

[12].JPG
冬の訪れを告げるツワブキの黄色い花がボウジムイルートの散策道を彩る
Farfugium japonicum at the entrance of Boujimui Route


小雨が降り始めたイギミハキンゾーを後にして友人達とCafe Okinawa Rail(2017年6月1日のブログ記事)の暖かい薪ストーブの横で遅いランチを取る頃には、外は嵐のような風と雨に変わりました。アルゼンチン人の友人もやんばるでの一日を楽しんだようです。彼女がいなくなって寂しくなりますが、いつかまた会えるのを楽しみにしています!

After leaving top of Mt. Fuji of Shioya, we walked along the Great Wall for a while, and came to the end of the trail. The trail then continues to Bunagaya Route from there. It took us about one hour to come to the place, so we decided to go back to where we came from. After going back to the car, we drove to Igimihakinzo Entrance where is the entrance of Boujimui Route and Nekumachiji Route. Distances of those trails are 0.7km and 0.9km and estimated time required is about one hour. I would love to go back there some other time to walk on the trails. We left Igimihakinzo, and went to have our late lunch at Cafe Okinawa Rail in Kunigami Village (blog post on 1 Jun 2017) where we enjoyed warmth of the wood stove and great food. We had a great time together and hope to see my Argentinian friend again soon! Buen viaje y buena suerte mi amiga!

posted by Misa Alta at 21:37| 沖縄 ☁| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月24日

2017イチハナリアートプロジェクト+3で沖縄の記憶と島をめぐる 2017 Ichihanari Art Project+3 in Uruma City, Okinawa

イチハナリアートプロジェクト+3は、「アートによる島おこし」として2012年に伊計島の集落や小学校を会場とした「イチハナリアートプロジェクト」としてスタートしました。2015年からは宮城島、浜比嘉島、平安座島も加わって、名称も「イチハナリアートプロジェクト+3」となりました。2017年の開催期間は11月18日(土)〜 12月3日(日)の16日間です。芸術に関心がある人も無い人も、ドライブの途中や集落の中の散策のついでに気負わずに立ち寄れます。それぞれの島には、島の記憶を留める通りや古い民家、そしてその景色の中に、時には溶け込むように、時には異空間を作り出す作品が並びます。

[1].JPG
No.34 堀尾貞治(ほりお さだはる)+現場芸術集団「空気」


The first Ichihanari Art Project was held in 2012 in "Ichihanari", which is another name for Ikei Island in Uruma City, to promote the island by art. In 2015, Ikei's neighbor islands, Miyagi, Hamahiga, and Henza joined the project and it became "Ichihanari Art Project+3". In 2017, the event is held between Sat, 18 Nov - Sun, 3 Dec.

宮城島を散策
Walking around Miyagi Island


「イチハナリアートプロジェクト+3」は、「イチハナリ」を冠したイベントなので、まずはイチハナリ(伊計島)へ向かう事にします。

伊計島はうるま市与那城の海中道路を渡り、平安座島、その隣の宮城島、そして橋を渡った向こうの島です。勝連半島から一番離れた島なので、「イチハナリ」と呼ばれるそうです。宮城島から伊計島へ向かう時は、普段は宮城島東側の海沿いの道を通って行くのですが、今回は以前よく通った宮城島の中央を走る農道を通って伊計島へ向います。

宮城島は「タカハナリ(高離)」と呼ばれるように、平安座島や伊計島に比べて標高が高く、「イーバル(上の畑)」と呼ばれる島の中央部に広がる農耕地の向こうには、沖縄本島や眼下の太平洋に浮かぶ平安座島、浜島比嘉島が見渡せる気持ちのいい景色が広がります。

ここから宮城島の北側にある上原地区へ行く途中には、貝塚時代中期(縄文時代後期)の「シヌグ堂バンタ」と呼ばれる遺跡があります。沖縄の方言で崖を指す、「バンタ」からは下方にある上原地区や隣の伊計島、そしてその周りを囲むサンゴ礁の青い海が広がる絶景が見渡せます! 

[1]2.JPG


シヌグ堂バンタのすぐ下にある上原地区には、1849年頃に造らた、うるま市指定文化財の「ヤンガー(万川)」と呼ばれる立派な石造の井泉があります。

[2].JPG


ヤンガーの豊富な湧き水は透明で、ため池の中には沢山の魚が泳いでいます。ヤンガーの後方の、突き出した崖を支えるように積まれた石垣も見事です!

[3].JPG


ヤンガー隣に住む男性が、石垣は「城を作った人が作ったんだよ」と教えてくれました。斜面沿いにある上原地区には見事な石垣や昔ながらの民家も多く残っています。坂道の多い集落内は階段で繋がっていて、他の三島には無い趣があります。

After crossing "Kaichu Road" in Yonashiro, Uruma City, the first island is Henza and the one you see on the right of Henza is Hamahiga Island. If you keep driving on Route 10, the island next to Henza is Miyagi, and the last island after crossing the red bridge is Ikei. Before heading to Ikei, I stopped in Miyagi first. There are many interesting places you can visit in Uehara and Miyagi Wards in Miyagi Island. There are old ruins of dwelling called "Shinugudo Banta" which dates back to around 400BC. Also, below Shinugudo Banta, there is "Yangaa" where clear spring water still flows. The beautiful rock work of Yangaa was built around 1849.

タカハナリの作品
Art Works in Miyagi Island


アートプロジェクト期間中の宮城島上原地区・宮城地区の駐車場は宮城小学校跡地です。車をとめて集落内を散策します。

上原地区にあるNo. 32の『樹になる木』は2015年のヒビヤストさんの作品で、その向かいの建物にはNo.33、與座花織(よざ かおり)さんの作品が展示されています。

まず始めに、細長くて植物に飲み込まれそうな建物に目が行き、そこに作品が展示されている事に気がつきます。集落の中に作品が展示されているのですが、集落自体が一つのアート作品の様です。扉を開けると、その建物と同じようにに朽ちていく島の植物が展示されています。

[4].JPG
No.33 與座花織(よざ かおり)


No.36、本間優子(ほんま ゆうこ)さんの切り絵は、黒の背景に鮮やかな色彩で沖縄の懐かしい景色が描かれていて、琉球漆器を思わせる作品です。

[5].JPG
No.36 本間優子(ほんま ゆうこ)


十数年前まで人が住んでいたような痕跡のある民家の中には、どこまでが作家によるディスプレイでどこからが元々そこにあった物か分からないほど、それぞれが違和感なく空間に溶け込んでいます。

[6].JPG


民家に残る「昔ながらのカマド」やワーフール(豚便所)と呼ばれる豚の飼育場所は一見の価値があります。

[6]2.JPG


駐車場のある、宮城地区では旧宮城中学校の校舎内でも作品の展示を行っています。No.20、ほしのみちよ(新川美千代)さんは、レース編みの様な繊細な模様の切り紙の作家で、アートプロジェクトの期間中、毎日無料のワークショップを行っています。基本的な切り方を教えてもらい、切り終わった紙を広げる瞬間は、どんな模様が現れるかワクワクします!

[7].JPG
No.20、ほしのみちよ(新川美千代)


[8].JPG


隣の教室には、地元の彩橋小学校5、6年生20名と版画家の名嘉睦稔(なか ぼくねん)さんがコラボレーションで制作した、ひまわりの作品(No.21、彩橋小学校xボクネン美術館)が展示されています。

[9].JPG
No.21、彩橋小学校xボクネン美術館


[9]2.JPG
No.23 堀尾貞治+現場芸術集団「空気」


[9]3.JPG


Designated parking area during the event in Miyagi and Uehara Wards is at old Miyagi Elementary School. There are many interesting artworks to see around the area. This is also a great opportunity to observe traditional Okinawan houses which are venues to display art works. There are art works displayed inside old Miyagi Junior High School building right next to the elementary school as well. During the event, there are some free workshops which you can join to find out your artistic talent!

イチハナリを歩く
In Ichihanari


タカハナリを出発して、最初の目的地だったイチハナリへ向かいます。

駐車場になっている伊計島漁港に車をとめて歩き出すと、まず目に入るのは、ガジュマルの木陰に置かれたNo. 54、Ichi+さんが2016年に制作した鍵盤ベンチです。隣のベンチに腰を下ろすのは、90歳には見えない、笑顔が素敵な伊計に住む和歌山出身の女性です。

[10].JPG
No. 54、Ichi+(2016年)


亡くなった旦那さんが伊計島の出身だそうで、長い大阪暮らしの後、故郷へ戻るという旦那さんと伊計島へやって来たそうです。毎日伊計集落を散歩して、ベンチのある木陰で休憩しているそうです。

[11].JPG
No. 56 平岡昌也(ひらおか まさや)『うんう(雲雨)願 〜カメが背負う山〜』の「幸せのコイン」


[12].JPG
No. 53 真壁陸二『キジムナーハウス』(2013年)


伊計島も集落の中を歩きまわると、展示作品以外にも、石垣の上に無造作に置かれた緑色の花瓶や石垣の一部になった皿、朽ちかけた家畜小屋、家ごとに個性的な屋根の上のシーサー、一心不乱に毛づくろいをする黒猫など、日常の景色がアート作品の様です。

[13].JPG


[14].JPG
民家の石垣はマチュピチュ遺跡に負けず劣らずの複雑な形の石が組み合わさっている!


[15].JPG


No. 46、James Jackさんの『Sea Birth』という映像作品が上映されている民家は、作品を見ながら畳の上に腰を下ろすと、今にも家の人が奥から出てきそうな場所です。うるま市の景観賞を受賞したこの家には、この日は作品上映中に5,6名の人にしか会いませんでしたが、前日の日曜には200名ほどが来場したそうです。

Designated parking area in Ichihanari (Ikei Island) is at Ikei Fisherman's Port. There, the first thing you will probably see in the village is a bench with keyboard underneath a banyan tree. This is an artwork of Ichi+ (No. 54) from 2016. A friendly 90 year old lady with charming smile told me that she walked around the village everyday and came to the place to rest for awhile. Just like in Miyagi Island, in Ikei, you will see not only artworks of the event, but also scenes of island's everyday life which are just like artworks themselves.

出会いの中の「島の記憶」
There are More than Artworks


2017イチハナリアートプロジェクト+3のテーマは「島の記憶」ですが、それは集落の景色や作品だけでなく、そこに住む人、そこを訪れる人、ボランティアでプロジェクトに参加している人を含む全てなんだと感じます。

宮城島の上原地区を回っている時に出会った郵便局職員の女性は、「ゆっくり見ていってくださいねー」と声をかけてくれました。宮城小学校跡で駐車場整理のボランティアをしている年配の男性は、No.24、宮城児童館+安謝児童館+翁長巳酉年(おなが みどり)さんの展示を見ながら(この日は平日で来場者が少なかったので)、男性のお兄さんの写っている写真を見せてくれたり、自分が卒業写真に写っていないのは、「山学校行ってたからじゃないか(昔、沖縄では学校をサボる事をこう言っていた)?」と教えてくれたりします。 No. 46の展示会場にいたボランティアの年配の男性は映像のテーマになっている南浮島へ昔行った時の事を語ります。

[17].JPG


この展示会場で出会った来場者の女性とは、門の上のシーサーに見立てた自然の石について言葉を交わします。

[18].JPG
シーサーに見える!


結局この日は、イチハナリ、タカハナリをゆっくり見て回るだけで一日が終わってしまいましたが、アートプロジェクト期間中、入場券(一人500円、中学生以下無料、週末無料シャトルバスの巡回あり)は通しで使用できるので、何度でも足を運べます。

それぞれの島には、食事ができるレストランや食堂、カフェ、そして美しい海岸があるので、一息つきながら一日ゆっくり島めぐりができます。次回は今回足を延ばせなかった平安座と浜比嘉を回ってみようと思います。

[19].JPG
かとりせんこうの様なぐるぐるは雨戸のカギ!


Visit the islands and see artworks and village are fun, but another great thing about coming to Ichihanari Art Project+3 is to meet and interact with people. In Miyagi Island, I was greeted by a lady who works at post office, and an old man working as a volunteer at venue No. 24 showed me a picture of his older brother posing in an old picture displayed there. In Ikei Island, at venue No 46, another old man talked about when he was young fisherman. I exchanged words with a lady who was visiting Ikei to see the artworks. These small things make an experience more interesting and memorable. I was only able to visit Miyagi and Ikei Islands this time, but the ticket for the event is good for entire period of the event (500 per person, junior high school student and anyone younger are free to enter, free shuttle bus services available on Sat & Sun). I am planning to visit Henza and Hamahiga Islands next time!

2017イチハナリアートプロジェクト+3
問い合わせ:うるま市観光物産協会
電話:098-978-0077
Eメール:info@uruma-ru.jp

2017 Ichihanari Art Project+3
Inquiry: Uruma City Tourism Association (Urumashi Kanko Bussan Kyokai)
Tel: 098-978-0077
Email: info@uruma-ru.jp



posted by Misa Alta at 21:31| 沖縄 ☁| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする