「塩屋富士」に十里の長城「猪垣」、大宜味村の沖縄遺産! "Shioyafuji" and "The Great Wall of Ogimi" in Ogimi Village, Okinawa

アルゼンチン人の友人が沖縄を離れる事になりました。エネルギーの塊のような人で、彼女のように仕事も遊びも120%の全力投球で楽しむ人には初めて会いました。沖縄や日本の文化にも関心を持つこの友人が沖縄を離れる前に、大宜味村にある「塩屋富士」と「猪垣(やまししがき)」を見に行く事になりました。

My Argentinian friend is leaving Okinawa. She is a very energetic person and I had a lot of fun and great time with her and other friends whom I met through her. We decided to go climb Shioyafuji (Mt. Fuji of Shioya) and see The Great Wall of Ogimi before she leaves Okinawa.

六田原展望台からの眺望
Mutabaru Lookout Point

猪垣を見に行く数日前、大宜味村付近を地図で見ていると、塩屋湾の近くにある「六田原(むたばる)展望台」の表示が目に入りました。犬を連れて早速向かいます。塩屋湾沿いにある屋古(やこ)と田港(たみなと)の集落の間にある道を高台へ向かって登ります。

沿道のトックリキワタは大きく鮮やかなピンク色の花を咲かせています。

坂を上り詰めると、車が止められる開けた場所がありますが、周囲には荒廃した建物が点在していて一瞬不安になります。
ドアの壊れた建物の横を通って展望台の方へ歩いて行くと、それまでのさびれた景色とは打って変わって、眼下には塩屋湾と湾沿いの道路、塩屋橋そして宮城島が見えます。西側には本部半島、屋我地島、古宇利島、そして東側には緑の森の向こうに太平洋を望む絶景が広がります!

A couple of days before I took her to see Shioyafuji and the Great Wall, I went to Mutabaru Lookout Point near Shioya bay in Ogimi Village. From the lookout, you can enjoy beautiful view of Shioya bay, shioya bridge, Yagaji and Kouri Islands, and Motobu Peninsula!

大宜味村の散策道
Footpaths in Ogimi Village

絶景を堪能した後、展望台周辺を散策してみます。2、3日続いた冷え込みのせいか、ヒカンザクラの木に数輪の花が咲いています。

近くには村が設置した「散策道の案内板」と「大宜味村の猪垣」についての説明があります。それによると、散策道の途中には「塩屋富士」や、万里の長城ならぬ「十里の長城」があるとの事。この「沖縄遺産」を数日後に沖縄を離れる友人を誘い見に行く事にしました。

「大宜味の石灰岩の山と森 散策道ウォーキングマップ」によると、散策道は「塩屋富士ルート」、「ぶながや広場ルート」、「ボウジムイルート」、「ネクマチヂ岳ルート」の4つのルートに分けられています。

六田原展望台近くの「塩屋富士ルート」にはルート沿いに塩屋富士を始め、猪垣とよばれるイノシシが農耕地へ侵入するのを防ぐために造られた石垣があります。ウォーキングマップによると、塩屋富士ルートの距離は2.0Km、所要時間約2時間半です。

After enjoyed great view from the lookout, I walked around the area where some eerie abandoned buildings stood and found information boards of Footpaths and The Yamashishigaki of Ogimi Village. According to those, Yamashishigaki is a stone wall that was first built around 1605 when sweet potatoes were brought to Okinawa. The potatoes became a staple crop and to prevent wild boars (yamashishi) to enter the fields, villagers built the wall. Also, there are four footpaths around the area: Shioyafuji Route (purple), Bunagaya Route (green), Boujimui Route (orange), and Nekumachiji Route (pink). Along Shioyafuji route, there are Yamashishigaki and Shioyafuji. The distance of the trail is 2.0km and estimated time required to walk is about 2.5 hours.

大宜味村の「十里の長城」
The Great Wall of Ogimi

トレッキングの参加者はアルゼンチン人の友人の他に日本人の友人、そして私と犬です。
この日本人の友人とは、2016年に南米ペルーのアマゾン川流域の熱帯雨林をトレッキングし、マチュ・ピチュ遺跡にも行きました。その時、小さな沖縄の自然や文化がアマゾンにもマチュ・ピチュにも引けを取らず素晴らしい、としみじみ感じたのを覚えています。

この日のトレッキングは、六田山登り口から出発する塩屋富士ルートです。入口からいきなり上りの階段が続き、50mも歩かないうちに、全員「きつい~」「疲れた~」の連発です。そうこうしながら歩いていると、コンクリート製の杭で作られた階段が天然の石の階段に変わります。これは猪垣と同じ頃に造られたものでしょうか? 

散策道沿いには様々な形や模様の奇岩が立ち並びます。しばらく進むと「大宜味村の猪垣」の案内板があり、石灰岩を積み上げた石垣が散策道沿いに現れます。

古代文字のような不思議な模様が入った岩!

大宜味村のホームページによると、全長約31kmの猪垣は村指定の文化財 (村指定距離約1.3km) で「十里の長城」とも呼ばれ、大宜味村全域を囲むように築かれたそうです。琉球王国の正史『球陽』にも、1776年から1782年にかけて行われた猪垣の大々的な補修工事について記録されているそうで、芋が作物として沖縄に定着した1605年頃に初めて猪垣が構築されたと考えられているそうです。

On the day of trekking, my Argentinian friend, our Japanese friend, my dog and I started to walk from Mutayama Entrance of Shioyafuji Route. First, we had to go up long stairs and this made everybody tired right away. There are big and small rocks with interesting shapes and patters along the trail. After a while, the Yamashishigaki appeared in front of us. According to Ogimi Village website, a part of the wall is a cultural property of the village and the 31km long wall is also described as “Juuri-no-chojo (the Great Wall of Ogimi)”.

塩屋富士登頂
Climbing Shioyafuji

やんばるの森の中には様々な植物があります。散策道の途中にはこれらの植物の名前や特徴などが記された札も設置されていています。

石灰岩を覆うように大木が根を張り、馴染みの植物の他に、普段見たこともない花が咲き、倒木にキノコが生えています。足元にどんぐりが落ちているかと思えば、木の上には沢山のシークヮーサーの実がなっています。

熟したシークヮーサーは 散策中の喉の渇きを癒すのににぴったり!
シラタマカズラ Psychotria serpens L.

出発して660m地点の休憩広場に着くと、早速水分補給です。ピクニックテーブルの横にはヤマモモの大木があります。初夏には枝もたわわに実をつけるのでしょう。数分休憩をして、出発します。イノシシかマングースの匂いがするのか、犬は鼻をクンクンさせて辺りを警戒しながら進みます。

途中で反対側から歩いてきたグループとすれ違います。塩屋富士はすぐそこだと教えてもらい、数分後、1020メートル地点にある休憩広場へ到着です。広場の横に「塩屋富士展望広場 標高317.4m」の標識がありますが、周囲は相変わらずのジャングルです。開けて見晴らしのいい場所を想像していたので、頂上へついたのかどうか分かりませんでしたが、国土地理院の四等三角点の柱石が設置されているので、どうやらこの場所が富士山頂のようです。

There are many interesting trees and plants in the woods. Tree roots cover a large piece of limestone and beautiful flowers in bloom along the trail. We found wild shiikuwasaa tree with fruits, which are more like lime than tangerine. We picked a ripe shiikuwasaa to quench thirst during the trekking. When we got to the second rest area on the trail, we found a sign says “Shioyafuji Lookout Area 317.4m above sea level”, but the area was covered with vegetation, and could not see much view from there.

イギミハキンゾー登り口
Igimihakinzo Entrance

散策道中間地点にある塩屋富士を後にします。猪垣沿いを進み、しばらくして小さな広場に出ると、その先は下りの階段に変わります。ここが塩屋富士ルートの最終地点で、ぶながや広場ルートへ続く中継地点です。ここまで約1時間かかったので、車へ戻る為に引き換えす事にしました。さっきまで出ていた太陽が隠れて、風も強くなってきました。帰り道は行きよりも距離が短く感じられます。

六田山登り口へ戻り、車でボウジムイルートとネクマチヂ岳ルートの登り口がある、イギミハキンゾーへ移動しました。この日はイギミハキンゾーにある展望台から景色を眺めただけでしたが、それぞれ0.7kmと0.9kmで所要時間約1時間のルートなので、比較的気軽に楽しめそうです。

冬の訪れを告げるツワブキの黄色い花がボウジムイルートの散策道を彩る Farfugium japonicum at the entrance of Boujimui Route

小雨が降り始めたイギミハキンゾーを後にして友人達とCafe Okinawa Rail(2017年6月1日のブログ記事)の暖かい薪ストーブの横で遅いランチを取る頃には、外は嵐のような風と雨に変わりました。アルゼンチン人の友人もやんばるでの一日を楽しんだようです。彼女がいなくなって寂しくなりますが、いつかまた会えるのを楽しみにしています!

After leaving top of Mt. Fuji of Shioya, we walked along the Great Wall for a while, and came to the end of the trail. The trail then continues to Bunagaya Route from there. It took us about one hour to come to the place, so we decided to go back to where we came from. After going back to the car, we drove to Igimihakinzo Entrance where is the entrance of Boujimui Route and Nekumachiji Route. Distances of those trails are 0.7km and 0.9km and estimated time required is about one hour. I would love to go back there some other time to walk on the trails. We left Igimihakinzo, and went to have our late lunch at Cafe Okinawa Rail in Kunigami Village (blog post on 1 Jun 2017) where we enjoyed warmth of the wood stove and great food. We had a great time together and hope to see my Argentinian friend again soon! Buen viaje y buena suerte mi amiga!