帰って来たパン屋さん!恩納村冨着のCAFE Swell  CAFE Swell in Fuchaku, Onna Village, Okinawa

4、5年ほど前(だったと思う)、恩納村冨着にあるモアイ像が目印の「ステーキハウスjam(ジャム)」の裏手にあったお気に入りのカフェが閉店してとても残念でした。カフェのある場所と店の雰囲気がとても素敵で、閉店後はどうなってしまうのかと心配していました。

ところが、2019年1月、同じ場所に新しいカフェの看板と「近日オープン」の文字を発見。それも、何と朝7時からの営業。2月24日の県民投票の日、朝一で投票を済ませた後、ドキドキしながら早速カフェへ向かいました。

There used to be a very nice cafe with bakery in Fuchaku, Onna. I loved the calm atmosphere of the place, so I was very sad when they closed the business about 4 or 5 years ago. However, in January 2019, the cafe came back with a new name with same great atmosphere!

パン屋さんのカフェの復活
Back in Town!

恩納村前兼久~冨着の間はホテルや観光客相手の飲食店が立ち並ぶ、沖縄で有名なリゾート地の一つで、ここ数年、観光シーズンになるとメインストリートの58号線は国内外からの観光客やレンタカーの往来が増え、賑やかなエリアになりました。地域が賑やかになる反面、やんばる色が薄くなって行く中、1月にオープンしたCAFE Swell(カフェ スウェル)は以前のカフェのままの雰囲気で、賑やかなリゾート地の中にありながら、のんびりとした時間が流れています。

ステーキハウスJamの入口右手奥へ伸びる小道をダイビングショップの横を抜けてヤドカリ・カニ・カタツムリの横断に注意しながらたどって行きます。

敷地内の小さな池に流れる水音が心地いい、バリ島のロスメン(安宿)へ続いていそうな小道の両脇には、りっぱな「ヒゲ」を伸ばしたガジュマルやヤシ、オオタニワタリ、シダが生い茂り、このエリアに残された最後の「やんばる」が味わえます。

たどり着いたカフェは周りを緑の木々に囲まれた以前のままのたたずまいです。東南アジアやハワイを思わせる高床式の建物で、以前は犬小屋が並んでいた店の前の広いテラスの下は、今は数匹の猫の住処になっています。

カフェと言っても、パン屋さんのカフェ、という場所だったのですが、Swellは店の内装もほとんど変わらず、以前のように自家製パンを販売しています。

ハワイ風の雑貨がディスプレイされた温かみのある木造の店内は、腰みの(ラフィア・フラと言うらしい)や壁いっぱいの巨大なカジキ、パンのショーケースの設置されたカウンター、赤ちゃん連れにも嬉しい畳敷きの囲いのあるスペースがあります。

テラスへ続く大きな掃き出し窓の横のテーブル席からはのんびりと表に広がる緑が眺められ、BGMには心地いいボサノバが流れています。

CAFE Swell opened in January 2019 is located behind Steak House jam where Moai statue stands right in front of the restaurant. Follow the small path on the right side of jam. There are Bayan tree with its long “beard”, palm tree, and other tropical plants in the garden. At the end of the path, you will see the cafe in lush greenery. The place is very calm and peaceful. Inside of the cafe, there are some Hawaiian straw skirts, huge Marlin, and etc. displayed, and you can enjoy beautiful Yanbaru forest like garden from a big window next to the table. The cafe is also bakery and they have about 10 different kinds of baked goods inside the showcase on the counter.

鉄板のフレンチトースト!
Home Made French Toast

朝7時過ぎ、客は私一人です。カウンターの向こうのウォーリー似(ロボットではなくボーダーシャツのほう)の男性が爽やかな笑顔で迎えてくれます。フレンチトースト(¥700)を注文して席へ着きます。この日はオープンしてまだ間もなく、朝7時にやってくる客はあまりいないと言います。店には申し訳ないのですが、個人的には貸し切り気分で最高です。

フレンチトーストには、目玉焼き、ベーコン、ウィンナー、大盛のサラダとドリンクが付いています。自家製のサラダドレッシングはさっぱりとした酸っぱさのシークワサーマヨネーズと、ガーリックと玉ねぎがたっぷり入った和風ドレッシングの2種類がありますが、どちらも美味しいので半分づつかけて食べます。フレンチトーストは厚さが3センチ程で、中までしっとり卵がしみ込んだ、もちろん自家製の食パンです。

CAFE Swellはjamの系列の店で、カフェ入口の左手奥には夜はjamの貸し切り用として使用している、中央にステーキの鉄板が備え付けられたカウンターのある12名収容の小部屋があり、フレンチトーストはこの鉄板の上で焼かれます。

カフェのメニューにはその他にもロブスター&シュリンプ、B.L.T.、リブステーキ、ベジタリアンにもうれしい野菜、などのグリルサンドイッチがあります。

I ordered French toast (¥700) and it comes with an egg, sausages, strips of bacon, a bowl of salad with homemade dressing, and drink. They also have grilled sandwiches such as; Lobster & Shrimp, B.L.T., Rib steak, Fish, Vegetable and etc..

焼きたてパン!
Just Baked!

ボリュームのある朝食だったので、日を改めてパンを食べにカフェへ行く事にしました。

パンは朝10:30頃にカウンターに並び始めます。Swellで焼くパンのほとんどは国産小麦粉を使用して作られていて、この日最初に焼きあがったオリーブとチーズの入った葉っぱの形をした「フーガス」とカフェラテを注文します。

こんがりとした焼き色に仕上がったフ―ガスは外は固めで中はモチモチのパンで、甘くないので小腹が空いた時の軽食にピッタリです。運ばれてきたカフェラテの泡の上を細かいラインと中央のハートが見事なラテアートが飾ります!

カフェで出しているコーヒーは、エスプレッソ用の深煎りとドリップ用のエチオピア産、どちらも地元では有名な恩納村山田の「サンスイ珈琲」の豆を使用しているそうです。

外の緑を眺めながらパンとコーヒーを楽しんでいると、カウンターに焼きたてのパンが運ばれてきました。Swellの人気商品の一つ「まんまるチーズ」を追加注文します。まんまるチーズは太鼓の様な形をしていて、中にはゴーダチーズが入っています。生地はほんのり甘くモチモチで、チーズのしょっぱさと甘さが程よくマッチしています。

Breads are ready around 10:30 in the morning. At Swell, they use domestic flour for most of the breads. All of them look delicious, but I chose Fougasse with cheese and olives inside, and Swell’s popular bread “Man-maru cheese” (round cheese) with gouda cheese inside. Both of them are delicious and tast even better with cafe latte with beautiful latte art on top of it! The coffee beans are locally roasted at Sansui Coffee in Yamada, Onna Village.

Swellの店長さん
He’s the Chef, Father, and Baker

ウォーリー似の男性は、CAFE Swellの店長兼jam沖縄店主任の比知屋政樹(ひちや まさき)さんです。比知屋さんはjamで働き始めて今年で14年目になるそうで、夜はjamで鉄板焼きのシェフとしても腕を振るっています。さすが鉄板の前でフレンチトーストを焼く手さばきがさまになっています。とても話しやすい気さくな人で、テラス席は犬もOKと教えてくれました。

Swellのネーミングの由来は「オーナーがサーフィン好きだから」で、比知屋さん自身もサーフィンをするそうですが、最近はもっぱら釣りに行くことが多いそうです。

カフェ内の赤ちゃんスペースは、3歳と1歳の子供の父親でもある比知屋さんの希望で、カフェを再オープンする際に設けられたそうです。凝り性の比知屋さんは、パン作りに興味を持ち始めると、日本中のベーカリーを食べ歩きをしながらパン作りを独学で習得するほどで、現在のベーカリースタッフが産休に入る今年夏頃、カフェで販売するパン作りも行う予定です(もともとjamで出している付け合わせのパンはシェフの手作り)。

The man greeted me is Mr. Masaki Hichiya, a manager of CAFE Swell and also Chief of Steak House jam (Swell and jam are owned by the same owner). He is a teppanyaki chef of jam at night, and makes French toast on teppan in the room next to the cafe which is used as jam’s private party room at night. There is a fenced area with tatami mats on the floor at the corner of the cafe and people with small child can come and relax as well. Creating the “baby’s corner” was an idea of Mr. Hichiya, who is father to 3 year old girl and 1 year old boy. Mr. Hichiya told me that the cafe’s baker was going to be on the maternity leave in this summer, and he would bake breads for Swell during her absence!

ファミリービジネス
Family Business

表の緑の木々の間から鳥のさえずりが聞こえ、その中を一匹のモンキチョウがヒラヒラと飛んでいます。向かいの建物からバットを抱えた女性がカフェの方へやって来ました。ベーカリースタッフのこの女性は現在1人で約10種類のパンを焼いているそうです。

なんと女性の妹さんが比知屋さんの奥さんで妹さんからベーカリースタッフの事を聞き、Swellで働くことになったそうで、自身の旦那さんもjamで働いているそうです。そしてそれだけではなく、現オーナーの奥さんは一代目オーナーの娘さんだという事で、jamは皆が繋がっている一つの大きな家族のようです。jamの本社は愛知県にあり、年に一回、沖縄のスタッフが愛知へ行ったり、愛知のスタッフが沖縄へ来たりするそうで、「研修ですか?」の問に「旅行です」の答え。これはもう社員旅行ではなく家族旅行です。

jam一家が切り盛りする、家族連れにも優しいCAFE Swell。58号線沿い、jamのモアイ像のある広々とした駐車場と朝7時からイートインができる嬉しいカフェは、やんばるへドライブへ行く途中の朝食やランチ、コーヒーブレイクにもピッタリなリゾート地の中のオアシスです!

The baker of Swell happen to be Mr. Hichiya’s wife’s sister. And the wife’s sister’s husband also works for jam. And also, current owner’s wife is previous owner’s daughter! jam family’s new cafe is great place for many families. There is a big parking lot in front of jam restaurant, so stop by for early morning breakfast, brunch, or coffee break on the way to or back from Yanbaru road trip!


CAFE Swell (カフェ スウェル)
インスタグラム: @cafeswell


CAFE Swell
Instagram: @cafeswell