初めての人も楽しめる!沖縄芸能公演「Ship of the Ryukyu」"Ship of the Ryukyu" will Take You to the World of Okinawan Entertainment!

沖縄燦燦のシーンより  A scene from “Okinawa San San” 写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

沖縄は国内外で活躍する優れたアーティストを数多く輩出していますが、そこには古くから琉球に伝わる伝統芸能や、戦後継承され発展・進化し続ける新沖縄芸能などが背景にあるからだと思います。

沖縄芸能は見たことが無いし良く分からない、という人も多いと思いますが、沖縄県と公益財団法人沖縄県文化振興会の主催するマグネットコンテンツ事業、沖縄文化振興船「Ship of the Ryukyu」は、沖縄芸能の魅力を凝縮し、文化や国境を越えて多くの人に届ける舞台公演です。

Okinawa has its original culture that was developed during the Ryukyu Kingdom era and evolved to new styles after the War of Okinawa. “Ship of the Ryukyu” is a project that introduces Okinawa’s superb performing arts and culture to the people of all around the world.

テンブスホール
Tenbusu Hall

平成28年度のShip of the Ryukyuには5つの作品が選ばれていますが、12月9日(金)にその中の1つ、「五月九月(ぐんぐぁち くんぐぁち)」(2016年12月6日~11日)を那覇市ぶんかテンブス館のテンブスホールへ観に行きました。

テンブスは那覇市にある国際通りのほぼ中心地にあり、近くにはミニシアター向きの作品などを上映する桜坂劇場、ライブハウスの桜坂セントラルなどもあり、この界隈は沖縄のエンターテイメント、文化の発信地になっています。テンブスの地下とその周辺には有料駐車場もあります。

公演は全席指定なので、早く行って席を取る必要もなく、待ち合わせも簡単です。チケット料金は一般が2500円、高校生以下2000円、未就学児の膝上鑑賞は無料です。

There are five productions selected for Ship of the Ryukyu 2016, and I went to see “Gungwachi Kungwachi” on 9 Dec 2016 at Tenbusu Hall located at the center of Kokusai Street in Naha City. There are many pay parking lots around the area including one at the basement of Tenbusu Hall. The price of tickets for each show is 2500 yen for an adult, 2000 yen for a high school student and anyone younger. A pre-school child who sits on adult’s lap is free of charge.

コメディー仕立ての「五月九月(ぐんぐぁち くんぐぁち)」
“Gungwachi Kungwachi”

2016年12月9日の「五月九月」の舞台より At the end of performance on 9 Dec 2016

「五月九月」は、方言とウチナーヤマトゥグチと言われる沖縄風大和言葉でセリフが語られます。まず方言が分からない、という事で沖縄芸能を敬遠している人も多いと思いますが、舞台が始まる前のプレトークで、あらすじ、キーワードやポイントの説明があるので、すんなり話に入って行けます。
Ship of the Ryukyuの公式ホームページには、様々な琉球芸能、沖縄芸能を紹介する「沖縄芸能ガイドBOOK」も掲載されているので、目を通しておけば、舞台をより楽しむ事ができます。

「五月九月」の舞台のセットは、とてもシンプルですが、それを様々な形に動かして、どんどん場面が展開していきます。そして、このシンプルなセットによって沖縄の伝統衣装「琉装」の美しさがさらに際立ちます!
基本的にドタバタコメディーなので、肩ひじを張らずに見ることができます。私自身はツボにハマって、大笑いしながら観ていました。何よりも感動するのは、現代に創作されたコメディー作品ですが、劇中の演奏や踊りが本格的である事です。さすが沖縄で活躍している若手実演家たちです!

「五月九月」は、琉球王国時代のいわゆる「アーティスト」達が登場する話なのですが、時代を越えて現代のアーティストにも通じる、彼らの生活を垣間見ているような舞台でした。

Many people who don’t speak Japanese or don’t understand Okinawan dialect may think, “I won’t understand what’s going on anyway”. However, for Ship of the Ryukyu, there is a Program Guide with outline of the stories written in English, Chinese and Korean. Although Gungwachi Kungwachi is a newly written slapstick comedy, traditional dances and music played during the show is first class! The beautiful Ryukyuan costumes are one of the highlights of the program.

美しい衣装と舞台展開が見どころ「沖縄燦燦(おきなわ さんさん)」
“Okinawa San San (Dazzling Okinawa)”

沖縄燦燦のシーンより  A scene from “Okinawa San San” 写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

一般社団法人ACO沖縄制作の「沖縄燦燦」は、毎年開催されている「国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ」、通称「りっかりっか*フェスタ」でも毎年上演されていて、海外からフェスタに参加している外国人劇団員にも大好評の作品です。
ノンバーバルの歌舞劇(セリフ無しの沖縄版ミュージカルと言う感じ)で、登場する男女2人の人生を軸に舞台が進行していきます。また、現代ならではの、三線(さんしん)、太鼓、バイオリンのコラボは必見です。
弦楽器である三線とバイオリンの音色は違和感なく溶け込んで、会場内に響き渡ります。

沖縄燦燦のシーンより  A scene from “Okinawa San San” 写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

ボーカルの透明ではりのある歌声に外国人劇団員の一人は、「すばらしい声!鳥肌が立つ!」と大絶賛していました。舞台の出演者は公演ごとに多少変更があるのですが、この時のボーカルと三線は、「しゃかり」のチアキさんでした。

沖縄燦燦のシーンより A scene from “Okinawa San San” 写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

この舞台も、踊りや演奏の質の高さはもちろんですが、琉球のきらびやかな衣装に目が奪われます。沖縄燦燦は2014年フランスのアヴィニョンフェスティバルオフ、2015年イギリスのエジンバラフリンジフェスティバルなどで、五つ星の評価を獲得した作品です。

“Okinawa San San” has been performed during “ricca ricca*festa (International Theater Festival OKINAWA for Young Audiences)” which is held in Okinawa annually also, and many artists coming from all over the world to the festival have praised the performance. This is a non-verbal dance & music theater of traditional Okinawan dances with beautiful live music of sanshin (Okinawan stringed instrument), taiko drum, and violin. The colorful stage is must to see! Okinawa San San received five-star reviews at Avignon OFF 2014 (France) and Edinburgh Fringe 2015 (Scotland).

Ship of the Ryukyu 公演日程
Performance Schedule of Jan & Feb 2017

沖縄燦燦のシーンより  A scene from “Okinawa San San” 写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

2017年1月、2月に公演を控えるShip of the Ryukyuの演目は、久茂地にあるパレット市民劇場で、1月25日(水)~29日(日)に上演される、創作エイサーの舞台「EISA-SPIRIT REQUIOS・王朝伝」、テンブスホールで上演される1月31日(木)~2月5日(日)の「沖縄燦燦」と2月7日(火)~12日(日)の八重瀬町の地域行事で実際に演じられる演目が凝縮された「YAESE芸能~結~」です。

沖縄では今でも、地域によっては旧暦の正月を祝う風習が残っています。2017年は1月28日(土)が旧暦の1月1日に当たります。年始めをShip of the Ryukyuの華々しい舞台の鑑賞で「カリー(嘉例:沖縄の方言で縁起がいい事などを現す)」をつけて、めでたい1年を迎えましょう!

沖縄燦燦のシーンより  A scene from “Okinawa San San”<br>写真提供:一般社団法人 ACO沖縄 Photo by: ACO Okinawa

Three more productions are scheduled for January and February 2017. “EISA-SPIRIT REQUIOS, Legend of a Dynasty” will be held at Palette Civic Theater in Kumoji, Naha City (25 – 29 Jan 2017), and “Okinawa San San” (31 Jan – 5 Feb 2017) and “YAESE Folk Performing Arts -Yui-” (7 – 12 Feb 2017) will be held at Tenbusu Hall. Let’s get on the Ship of the Ryukyu to enjoy Okinawa’s wonderful culture and performing arts!


「沖縄燦燦」制作および本ブログへの写真提供:一般社団法人 ACO 沖縄
住所:〒903-0806 沖縄県那覇市首里汀良町3-82-5-2F
電話番号:098-887-1333
メール:aco@acookinawa.com

Production of “Okinawa San San” & Photos for this article: ACO Okinawa
Address: 3-82-5-2F Tera-cho, Shuri, Naha, Okinawa
Phone: 098-887-1333
E-mail:aco@acookinawa.com

「Ship of the Ryukyu」問い合わせ: 公益財団法人 沖縄県文化振興会 
電話番号 098-987-0926

“Ship of the Ryukyu” Inquiries: Okinawa Prefectural Foundation for Cultural Promotion
Phone: 098-987-0926