沖縄を紹介する雑誌やサイトで幾度も紹介されている、本部町伊豆味にあるカフェ「ハコニワ」は2016年11月に10年目を迎えました。行ってみると、やっぱり紹介せずにはいられない、素敵で心地よい空間です。
“Hakoniwa” (Miniature Garden) is one of the popular cafés located in the area called Izumi in Motobu Town.
森の中にたたずむ瓦ぶきのカフェ
An Old Okinawan Style House in Woods
先日、今帰仁にあるカフェへ行くと「Open」となっているのに、まさかの店主不在。お腹が空いていたので諦めて、名護へ向かって行く途中、以前から前の職場の同僚に「いい場所だよ~。今度行ってみて~。」と言われてたのに、行く機会がなかった「ハコニワ」の看板が目に飛び込んできました。
名護と本部を結ぶ県道84号線沿いにある、「第一ウジュンバル」(ちなみに、その前後のバス停は「第二ウジュンバル」と「第二イヤガイ」!)という、外国の地名のようなバス停のすぐ脇の道へ迷わずハンドルを切ると、うっそうとしたやんばるの森の間に道が伸びます。平日だったせいか、午後一時過ぎに到着した時には、駐車場にはまだ一台も車がありませんでした。
車から降りると、そこは緑に囲まれたほっと落ち着く空間です。カフェへ続くアプローチを登って行くと、緑のなかにたたずむハコニワが目に入ります。
There are many small cafes in Izumi area. Hakoniwa is one of the most popular cafes in that area and located off Route 84 in Motobu town. It is a typical Okinawan style house in the middle of woods.
懐かしい場所へタイムスリップ
Reminiscent of Old Time
初めて訪れたのにもかかわらず、以前に来たことがあるような懐かしさが込み上げます。苔むした屋根、入口横にある手押しのポンプとコンクリート製の流し。建物の周りには、月桃、クワズイモ、ヒカゲヘゴ、と沖縄ではおなじみの植物が茂っています。
入口の緑色の引き戸を開けると、ゆったりとした音楽と室内からアロマのいい香りが漂ってきます。出迎えてくれた、おっとりとした店員の山口真里さんは、お店の雰囲気そのものです。
玄関左側にはフタのついた靴箱があります。スリッパへ履き替えて中へ上がると、白熱灯の明かり、木枠にすりガラスの入った窓と、その向こう側に広がる緑に癒されます。まるで何処かへタイムスリップしてしまったかのようです。
Hakoniwa will make many Okinawan people remind of “grandma’s house”. Roof tiles covered with green moss, a hand pump and concrete sink. You need to take off your shoes before entering into the cafe, and place them in the shoebox. Frosted glasses and incandescent lamps make you feel as if you have traveled back in olden times.
体に優しい「ハコニワプレート」
Healthy “Hakoniwa Plate”
席へ着くと、レモングラスのお茶が出されます。メニューには「本日のハコニワプレート」、「島野菜とたっぷりチキンカレー」、「やんばる産はちみつを使ったハニートースト」がありますが、迷わずハコニワプレート(900円)を注文しました。
プレートにこの日の五種類のおかず(かぼちゃの煮物、島豆腐のすりゴマ、小松菜のナムル、切り干し大根とにんじんの和え物、チキンソテー粒マスタードソース)、が載っていて、黒米、しいたけスープ、デザートの、コーヒーとクリームチーズのパウンドケーキ、そして飲み物がついていました。どれも優しい味付けで、体が喜ぶ料理です。
Hakoniwa Plate is the cafe’s daily special. It is 900 yen, and comes with five different items on a main dish, rice, soup, dissert and drink. The amount of food on main dish is not a lot, but is very healthy and good for the body.
何度でも訪ねたい、友達の家のようなカフェ
Friendly Staff of Hakoniwa
お店に入ってしばらくすると、どんどん客が入ってきます。グループやカップルもいますが、一人で来る人もいます。さすがに人気のカフェです。
食事を終えてお会計の時、キッチンにいたオーナーの谷口かおりさんが出てきました。少し話をすると、私が今住んでいる地域の出身との事でした。そして帰り際に、「また来てくださいね!」と言ってくれました。
友達をもてなすように、客をもてなす。実際にハコニワへ行って、どうしてこのカフェがこんなに人気があるのかが分かった気がしました。またお邪魔します!
― 追記 ―
・・・そして後日、早速ハコニワへお邪魔して来ました。客は私の他にもう一人だけでした。
風が強くて寒い日だったのですが、太陽が出てきて庭を暖かく照らして、蝶々が飛び交っています。すると、突然マングースが現れました。逃げる様子も無く、庭に置いてある鍋(?)の周りを歩き回っています。
山口さんにその事を告げると、たまにやって来るとの事。谷口さんもキッチンから出てきました。
谷口さんが育った近所の事やお店の事、お店で使っている器は旦那さんが作った事(谷口さんの旦那さんの谷口室生(むろお)さんは名護に窯を持つ陶芸家です)、などの話をしました。
ところで、ハコニワの名前の由来は?と訊ねると、特に意味を考えて付けた訳ではなく、ズバリ「直観」だそうです。ホッとするこのカフェに、ピッタリのネーミングです。
Staff of Hakoniwa are very friendly. Ms. Kaori Taniguchi is the owner and chef of the café and Ms. Mari Yamaguchi has been working there for 3 years. Some of the plates and bowls used at Hakoniwa were made by Mr. Muroo Taniguchi, a potter and husband of Ms. Kaori Taniguchi.
A mongoose suddenly appeared in the garden and walked around the pot. Ms. Yamaguchi told me the mongoose comes there every once in a while. If you are lucky, you might also be able to see this little friend at Hakoniwa!
Café ハコニワ
住所 沖縄県本部町字伊豆味2566
電話 0980-47-6717
Café Hakoniwa
Address: 2566 Izumi, Motobu, Okinawa
Phone: 0980-47-6717