うるま市屋慶名(やけな)と平安座島(へんざじま)を結ぶ海中道路を通った事のある人は目にした事があると思う「たこめし」の看板。ずっと気になっていたその正体を確認するために、浜比嘉島(はまひがじま)へ向かいました。1997年2月に浜比嘉大橋が開通するまでは離島だった浜比嘉は、小さいながらも見どころ満載の楽しい島です!
Hamahiga Island is located next to Henza Island in Uruma City. The islands were connected by Hamahiga Bridge in Feb 1997 and now, you can drive to Hamahiga easily and enjoy local foods, beautiful ocean, and nostalgic island life.
「浜比嘉名物 たこめし」を食す
Try Famous “Takomeshi”!
今年の夏は台風も無く、暑い日が続いています。この日も真っ青な夏空の下を、エメラルドグリーンの海の中に延びる海中道路を渡り、浜比嘉大橋を渡ります。
たこめしの看板を目当てに、橋を渡りきって右折すると、左手に2階建ての立派な建物が現れます。「浜比嘉名物たこ飯の店」サザンホープ浜比嘉です。
小さな食堂の様な場所を想像していたので、少し驚きです。中へ入ると、券売機があるので、ここで食券を購入します。
たこ飯は950円(税込み)の定食で、さっぱりした味付けにダシがきいているお椀に盛られた「たこめし」の他、あっさりした味付けにたっぷりショウガが入っている「もずくとオクラのスープ」、焼いたチーズの香ばしい味にもっちりとした食感のおいしい「もずくとチーズのちぢみ」、「特製マドレーヌ」にセルフサービスのお新香とポテトサラダ、マカロニサラダが付いてきます。
カウンター席となりにいたカップルが、「イカ飯みたいにタコの中にご飯が入ってると思ってた」と、私が頭の中で思っていた事を声に出してつぶやきます。
たこめしレストランにしては少し変わった外観のサザンホープ浜比嘉は、宮城県仙台市の厨房機製造メーカーによって建設され、2011年3月20日に落成しました。東日本大震災のわずか10日後に完成したので、「【南の国から”希望”を失わないでほしい】という願いを込めて『サザンホープ』と命名」したそうです。浜比嘉島の活性化の為に地元の食材と地元のスタッフでメニューを開発して、島タコと、もずくを使った無添加の手作り料理を提供しているそうです。
When you drive on Kaichu Road (Transoceanic Road) which connects Yakena and Henza Island in Uruma City, you will see small signs with a picture of octopus along the road. There is a restaurant in Hamahiga where you can have “Famous Takomeshi (Octopus rice)”. Right after crossing Hamahiga Bridge and turn right, the restaurant is located on the left side of the road. Takomeshi set is 950 yen, and comes with a bowl of rice cooked with chopped octopus, Soup of Mozuku seaweed and Okura, Chijimi with Mozuku seaweed and Cheese, a cup cake, and all-you-can-eat Japanese pickles, potato salad, and macaroni salad. The mozuku seaweed and octopus called “shima tako” are local products of Hamahiga.
郷愁を誘う比嘉集落を巡る
Walking around Higa Ward
お腹が満たされたので、ゆっくり島を見て回ることにしました。浜比嘉は、大字(おおあざ)の浜地区と比嘉地区から成り立っています。
琉球開闢(かいびゃく)の神、アマミチュー(アマミキヨ)とシルミチュー(シロミキヨ)ゆかりの地として、今や多くの人が訪れる比嘉集落は、その他にもノロ墓や「カー」と呼ばれる井泉や「御嶽(うたき)」と呼ばれる聖域が集落の至る所にあります。
20年ほど前に橋が架かるまで離島だった浜比嘉には、沖縄らしい「かーらやー」と呼ばれる瓦ぶきの建物や、見事な石垣が残っています。
ギラギラと太陽が照りつける平日の昼間は、人影が無く静かで、イソヒヨドリの鳴き声だけが集落の中に響いています。
しばらく歩くと、乾いたコンクリートブロックの塀の横に止められた真っ青なダットサンのピックアップトラックの向こうに、色鮮やかな二本の旗頭が互いをけん制し合うようにたたずむ光景に出くわします。まるでここだけ時が止まっているかのような景色です。
旗頭の掲げられたすぐ近くの民家から女の人が出てきました。庭先で沢山のアヒルを飼っています。話しかけると、この日の夜、豊年祭が行われる事や少し先の山の中で「清ら海(ちゅらうみ)ファーム」を営んでいて、これから牧場へ向かうところだと教えてくれます。アヒルの写真を撮らせてもらい、礼を言って別れます。
石垣に咲く色とりどりの南国の花に、ここが漁村である事を思い出させる庭先に干された網、大切に保管されている「サバニ」と呼ばれる漁船、立派なフクギや廃墟になった建物など、比嘉集落には懐かしい沖縄の景色があります。
Hamahiga Island is divided into two main wards, Hama ward and Higa ward. There are many sacred places, which people call “power spot”, located in Higa ward and many people visit to get good energy from the places. Hamahiga was isolated island until Hamahiga Bridge was built, and there are many old Okinawan style houses and stone walls still there. It makes me feel nostalgic.
「とても大きく危険なかき氷」!
“Very Big Dangerous Shaved Ice!!”
比嘉集落を後にして、「シルミチュ―」の標識の出ている方向へ車を走らせます。集落を離れて少しすると、目に飛び込んできた看板に
「Very big dangerous shaved ice!! とても大きく危険な かき氷」
とあります。「危険なかき氷」はともかく、「かき氷200円」の表示を見て車を止めます。
コンテナの店舗の店先には様々な味のシロップのかかったかき氷の他、沖縄では氷に白玉と金時豆が入った、夏の冷たいデザートの代表格「ぜんざい」の写真が貼ってあり、価格は全て200円です。ぜんざいに練乳をかけても200円、との事なので、迷わず練乳をかけてもらいます。
甘い練乳と金時豆を氷に絡めてほおばると、カラカラの喉が潤います。店主の女性に「危険なかき氷」はどれくらいの大きさなのか聞くと、普通のかき氷の倍以上の大きさで、器の上に氷がタワーのように盛られているそうです。それでも価格は500円なので、2人で1つを注文して食べる人もいるそうです。
「御休処 笑結(わらゆい)」では、かき氷の他に、軽食や飲み物、そして琉装での写真撮影なども行っています。
After leaving Higa Ward, I drove toward south of the island. And then, there was a sign written both in English and Japanese. “Very big dangerous shaved ice!!” I was so thirsty that I decided to get not dangerous shaved ice, but regular shaved ice. I ordered “zenzai” which is shaved ice with sweet beans and small mochi (rice cake) balls. It is (I think) the most famous cold desert of Okinawa. The price is only 200 yen and was delicious! The lady at the stand told me the “dangerous shaved ice” (500 yen) was more than double the size of regular shaved ice. There were pictures of people who were “BIG Shaved ice Challenger TOP 3”, so if you think you can eat shaved ice fast, why not try it? You may be one of the next TOP3 challengers!
清ら海ファームでヤギとお散歩
Friendly Goats at Chura Umi Farm
ぜんざいを食べていると、笑結の店先に清ら海ファームのチラシが置いてあるのに気が付いて、同じ経営者なのか聞いてみると、近くだから置いてあるだけ、との事。店と反対側の山の中にヤギの牧場があると聞いて、早速牧場へ向かいます。車が脇に落ちてしまいそうに細い道を走って行くと、清ら海ファームに到着しました。小屋の周辺の草むらで放し飼いになったヤギ達が草を食んでいます。
先ほど比嘉集落で出会った女性と男性がモクマオウの木の下のピクニックテーブルにいました。
「こんにちは~。来ちゃいました」
と声をかけます。
女性は外間晴美(ほかま はるみ)さんで一緒にいた男性は旦那さんの外間昇(ほかま のぼる)さんです。
清ら海ファームは浜比嘉生まれ、浜比嘉育ちの昇さんが15~16年ほど前に立ち上げたそうで、神奈川県出身の晴美さんと島で出会い、結婚、現在二人でヤギやアヒルの世話をしながら畑を耕しているそうです。互いに「騙されて結婚した」と言って笑う二人は、笑顔が素敵なカップルです。
清ら海ファームでは、体験プログラムも行っていて、「ヤギとお散歩《山コース》と《海コース》」があります。予約制で、山コースは所要時間約1~2時間の「少々ハードな本格派(途中離脱可)」で約40頭のヤギ達と野山を巡り、海コースは所要時間約30分~1時間で、「小さなヤギ数頭と一緒に近くの海岸へのんびりとお散歩」です。
どちらのコースも参加費は一人500円、お一人参加は1000円です。人気のあるプログラムで、リピーターも多く、毎年参加する人もいるそうです。
清ら海ファームのヤギ達は、まるで犬のように人懐こく甘えん坊です。浜比嘉の自然の中をヤギを放牧しながらお散歩なんて、まさしく沖縄版ハイジの世界です!
When I was walking around Higa ward, I met a lady who owns goat farm in the island. At the shaved ice stand, the owner told me the goat farm was very close from the stand, so after finishing my zenzai, I decided to visit the farm. When I arrived at “Chura Umi Farm”, the lady I met in Higa and her husband were there at the picnic table outside. Mr. Noboru Hokama and Mrs. Harumi Hokama raise goats and ducks and grow vegetables at the farm. Mr. Hokama is originally from Hamahiga Island and Mrs. Hokama is originally from Kanagawa Prefecture in main land Japan. At Chura Umi Farm, you can enjoy walking in the woods and beach of Hamahiga with goats. The “Mountain Course” takes about 1-2 hours and you will take about 40 goats to the woods to feed them. The “Beach Course” takes about 30 min – 1 hour and you will walk on the beach with a couple of small goats. The fee is 500 yen per person for both courses but if you are only participant, it will be 1000 yen. The goats are very friendly and act almost like dogs! “Walking Goats” is a great way to enjoy nature and experience life of Hamahiga Island.
サザンホープ浜比嘉
住所:沖縄県うるま市勝連浜229-1
電話:098-977-8811
清ら海ファーム
住所:沖縄県うるま市勝連比嘉422番地
電話:080-5186-9140(ホカマ)
メール:churaumi_farm.hokama@ezweb.ne.jp