2019年02月17日

大宜味村ネクマチヂ岳を行く!Nekumachiji Trekking Route in Ogimi Village, Okinawa

昨年後半から年始にかけて何かとあわただしく時が過ぎていました。心の余裕も無くなりかけていた1月中旬、無性にやんばるへ行きたくなって久しぶりに犬を乗せて北へ車を走らせました。

I was running around and being busy last couple of months. One Sunday morning in the middle of January, I decided to go hiking in the forest of Yanbaru with my dog.

ネクマチヂ岳ルート
Nekumachiji Trekking Route


目指すのは、約1年前に友人達と歩いた大宜味村の散策路です(2017年12月20日のブログ記事)

山へ向かう途中、桜並木を通りましたが、この冬はそれほどの冷え込みもなく、1月中旬というのに桜はほとんど咲いていません。坂道を登り切った所にある六田山登り口近くの駐車場には数台の車が止まっています。きっと、久しぶりの青空に、山歩きに訪れた人たちでしょう。

今回は比較的短いネクマチヂ岳ルートへ向かいます。イギミハキンゾー登り口駐車場へ車を停めると、ほぼ同時に隣へ停まったレンタカーから内地からの観光客らしきグループが降りてきます。この日の最高気温は20度でしたが、沖縄の冬独特の風の強い日で、「意外と寒い〜」と言ってジャケットのファスナーを首元まで上げています。トイレを済ませて、ネクマチヂ岳山頂を目指して出発です。

We headed for the trail in Ogimi Village where I went to hike with my friends about a year ago (blog article of 20 Dec 2017). This time, I wanted to walk on Nekumachiji Route, so parked my car at the parking lot near Igimihakinzo Entrance.

冬も色鮮やかなやんばるの森
Colorful Yanbaru Forest


やんばるの森は冬でも濃い緑に包まれて、所々に咲く小さな白い花や赤い木の実、亜熱帯植物で溢れています。

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日本最大のシダ植物「ヒカゲヘゴ」の幹の模様
  


強い北風が吹き、森中の木がザワザワと音を立てています。散策路はコンクリートの杭とロープでコースが記されていますが、所々に大宜味村を囲むように1605年頃に築かれた全長約31キロの猪垣(やまししがき)の一部の様な石造りの階段もあります。

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何百年もの間、そこに存在してきた音や匂いや周りの植物を堪能しながら前日までの雨で湿った土の上を歩きます。

森中のそこかしこに赤くて艶々としたゼリーの様な実がなっています。

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後で調べると、「ボチョウジ」という植物のようです。冬の沖縄は意外にも色々な花が楽しめる季節で、散策路沿いには天狗のうちわの様な形をした葉っぱ(リュウキュウヤツデ、またはテングノハウチワ。まさにそのまんま。)があったり、赤い椿の花が落ちていて、見上げると高さ約4メートルの椿の大木があったり、と目を楽しませてくれます。

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It was raining on and off until the day before, and the trail is little bit wet. The sun came out, but it is still very windy and little bit chilly. The trail is marked with concrete pegs and rope, but there are stone stairs that may have been built around the same time as wild boar wall in the 17th century. There are colorful flowers, fruits, and interesting shape and look of plants everywhere in the forest.

めざせ、ネクマチヂ頂上!
Top of Nekumachiji Hill


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散策路途中の休憩広場には大宜味の山中には約20万本ほどのツバキ類があると説明書きがあります。説明によると、ネクマチヂ岳一帯にはヤブツバキの群生地やサザンカの樹群があり、香りのするツバキとして知られている沖縄固有種のヒメサザンカも見ることができるそうです。

休憩広場を後にして散策路を進むと、反対側から楽しそうにおしゃべりをする人の声が近づいてきます。母親と中学生くらいの女の子が現れて、頂上まではもう少しだと教えてくれます。2人は反対側の入口から歩いて来たそうです。

トンネルのように反対側まで穴の開いたクスノキの洞(うろ)や立派に発達した板根(ばんこん)を持つ木、頂上へ続く石の階段。森には自然が作り出した美しい景色が散りばめられています。ほどなく入口から566メートル地点の頂上近くの展望広場へ到着します。

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風は相変わらず強く、耳元でビュービューと音を立てています。青空が顔をのぞかせているものの、ぼんやりとかすんだ東シナ海の水平線には伊是名島や伊平屋島が浮かび、眼下に広がるやんばるの森の緑は本島最北端の辺戸岬まで途切れることなく続いています。何百、何千の動植物の住処です。

しばらく座って景色に見入っていましたが、ここより高い場所がある事に気づき、そこへ行ってみます。木々に邪魔されて、展望広場の様な景色は楽しめませんが、ここがネクマチヂ岳の頂上のようです。

According to the information board on the trail, there are about 200,000 wild camellia trees around Nekumachiji. After not so long time, I came to the place near the top where I could see East China Sea, Izena and Iheya Islands, and Yanbaru forest that spread all the way until Cape Hedo, the Northern end of Okinawa Island. The sight made me realize that this place is home to hundreds and thousands of animals and plants. Some of them exist only here in the whole world.

鳥語を操るシジュウカラ 
Talking Birds


頂上へ到達したので、今来た道を戻る事にしました。登って来る時は頂上へ行くのに一生懸命で気づかなかったのですが、山の南側に位置する階段周辺は、強風も遮られてとても静かで気持ちのいい場所です。

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目の前の枝に一羽の鳥が止まってこっちに向かってピーピー鳴いています。まるで話しかけてくるかのように鳴いているのがめずらしくて、立ち止まって鳥を見ていると、周りから「ジジジジ・・・」とシジュウカラの声も聞こえて来ました。「ピーピー」「ジジジジ」と一羽、また一羽と黒い頭に灰色の翼、くちばしの下から胸元に黒いネクタイの様な模様を持つシジュウカラが集まって来てしきりに鳴いています。

シジュウカラは単語と文法を使って仲間同士で会話ができる鳥だそうです。私と犬の目の前の木の枝に、12~13羽の鳥が止まってそれぞれにピーピー鳴きながら、こちらを観察しています。何を話しているのでしょうか。よく見るとシジュウカラの他にメジロや少し大きめの茶色の鳥も混ざっています。メジロたちもシジュウカラと会話ができるのか?そういえば、最初にシジュウカラに集合をかけたのも、茶色の鳥でした。

とても不思議で写真を撮りたかったのですが、鳥が逃げてしまいそうなので、身動きせずじっとしていました。犬もただならぬ雰囲気に警戒しながらもジッとしています。

そのうち、好奇心旺盛な一羽のシジュウカラがどんどん近づいてきました。2メートルくらい正面から私たちを見ています。次は、左斜め後ろ1メートルくらいに寄って来てこっちを見ています。そして、私のすぐ左側へやって来ました。手を延ばせば届くくらい近づいています!

黄色がかった綺麗な羽をもつこのシジュウカラは、しばらく横でピーピー鳴きながらこちらを観察していたかと思いきや、飽きたのか、突然場所を移動して離れていきます。すると、他の鳥も後に続いて枝から枝へサルの集団が移動するように集団で移動していなくなってしまいました。

鳥の鳴き声はぱたりと止んで元の静かな森には私と犬だけが取り残されました。

After getting to the top of Nekumachiji, I decided to go back the trail instead of going forward to the other end. Then, all of a sudden, one brown bird started to tweet right in front of me. When it tweeted, another bird responded, and, one by one, started to gather in front of me and my dog. We were being very still. Most of the birds gathered were Parus minor. These birds are known for using words with grammatical rules to communicate each other. They are all looking at us and tweeting nonstop. I wondered what they were talking about. One brave bird started to get closer and closer to me. It came so close to me that I could touch it if I stretched my arm. Then, they lost interest in us, and flew away. It was very strange experience.

キノコの森
Mushroom Forest


不思議な気持ちのまま、また歩き出します。太陽が木々の間から降り注いで森の中が光で満たされています。

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すると、湿った地面からニョキニョキ顔をだす不思議な物が目に入りました。毒キノコを絵に描いた様な、いかにも、という形の黄色い茎にイチゴの模様のような焦げ茶色のぶつぶつが付いた茶色っぽい傘を持つキノコです。鼻を近づけそうな犬をあわてて静止して写真を撮ります。

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始めて見るこのキノコは、「キイレツチトリモチ」という寄生植物(キノコじゃない!)で、他の植物の根に寄生して成長するそうです。やはり、毒キノコ的な不気味さを持つ植物です。

ネクマチヂ岳はゆっくり写真を撮りながら約1時間ほどで周れるお手軽山歩きコース。やんばるの空気をいっぱい吸って、心も体も浄化した気分です。久しぶりのやんばるでは色々な発見や出会いに癒されました。

After the strange experience with the talking birds, we started to walk in the forest again. There are strange looking things coming out of the wet ground. Poisonous mushrooms? I stopped my dog getting close to them and took some pictures. Turned out, they were Balanophora tobiracola and not mushrooms, but parasitic plants. Nekumachiji trekking trail is very short but with full of surprises, and another great place to enjoy forest of Yanbaru!


posted by Misa Alta at 18:56| 沖縄 ☔| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月24日

地域も人も繋がる沖縄市の泡瀬大綱引 Awase Giant Tag-of-War in Okinawa City, Okinawa

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綱引きと言えば、運動会やレクリエーションなどで行われるスポーツとして定着していますが、沖縄では「大綱ひき」と呼ばれ、夏から秋の伝統行事として各地で行われています。県内で有名な大綱ひきは那覇大綱挽、糸満大綱引、与那原(よなばる)大綱曳などがありますが、2018年11月11日、沖縄市泡瀬で5年ぶりとなる泡瀬大綱引きが行われました。

Tag-of-war is a popular traditional event that is held in many areas in Okinawa. Some of the most famous ones are of Naha City, Yonabaru Town, and Itoman City. On the 11th of November 2018, the giant tag-of-war was held for the first time in 5 years in Awase area in Okinawa City.

全長100メートル、重さ16トンの大綱!
100m Long and 16t Rope!


沖縄県中部に位置する、その名も「沖縄市」の東側、太平洋に面した泡瀬地区には、干潟の広がりが南西諸島最大級と言われている自然豊かな泡瀬干潟や海鮮料理で有名な「パヤオ直売店」のある泡瀬漁港があります。県内地域の多くでは大綱引きは毎年行われていますが、泡瀬の大綱引は5年ぶりの開催です。前回の泡瀬大綱引は2013年、その前は2003年の開催でした。2018年の大綱は長さ100メートル、重さ16トンの立派な綱です。

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大綱は東(あがり)と西(いり)の2本に分かれていて、東が雄綱、西が雌綱です。そして雄綱と雌綱は「カヌチ棒」と呼ばれる丸太で中央で一つに結合された後、綱引が始まります。

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Awase area is located on the east edge of Okinawa City and right by the Pacific Ocean. Tag-of-war in most of the areas in Okinawa is held annually, however, in Awase, the last event was held in 2013, and the one before was in 2003; 10 years prior to the last one. In 2018, the giant rope is 100 meter long and weigh 16 tons. The rope is first separated into two parts; east and west (east rope is male and west rope is female). Right before starting the tag-of-war, the ropes are connected by a log called "Kanuchibo", and become one giant rope.

伝統芸能からエンターテイメントまで楽しめる道ジュネ―
Enjoy "Michi June-e" Performances


大綱引当日午後12時、泡瀬のメインストリート「県道85号線」通称「泡瀬ベイストリート」の交通規制が始まり、午後2時、道ジュネ―が行われる会場へ徒歩で向かいます。

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いつもは車通りの激しいベイストリートが車両通行止めで閑散として、道の両脇には出店が開店の準備を始めています。道路沿いの飲食店もテントの下にビールケースで作った即席のイスとテーブルを置いた屋台を準備しています。そして静かに眠る竜のような大綱が道路の中央に横たわっています。

道ジュネ―の会場は「カヌチ口」と呼ばれる東と西の綱の先頭が交わる中央の広場で、獅子舞、太鼓、ウクレレ演奏やエイサー演舞が次々と行われます。地元のグループの他、外国人のメンバーがいるインターナショナルなグループも、一生懸命に、だけどイキイキ楽しそうにエイサーを踊ります。

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この日は、立冬も過ぎたというのに半袖でも歩き回ると汗ばむ暑さの良く晴れた日です。綱引が行われることを告げる太鼓やホラ貝、鐘の音が辺りに響き渡ると、少しずつ人々が集まり始めます。

私が育った地域でも大綱引きが毎年行われていて、子供の頃、綱引きが始まる前に聞こえてくるホラ貝や鐘の音を「プープーガンガン」と呼んでいた事を思い出します。あの頃、地域の行事は自分よりずっと大きな大人達が取り仕切っていたのに、いつの間にか彼らの年齢を通り越して、今、目の前で一生懸命に大綱引の準備に取り掛かっているのは、うんと年下の若者達です。

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まだ車道を歩く人はまばらで、多くの人は真夏の様な日差しからのがれるように街路樹や建物の陰に入ってカヌチ口で披露される演舞を見学しています。大綱の周辺に立てられた「テークドゥルー」と呼ばれる鮮やかな旗頭と風になびく色とりどりの吹き流しが青空の下によく映えます。

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実際の綱引は午後7時に開始なので、まだしばらく時間があります。昼間は体力を温存するために一旦退散して夜改めて会場へ戻る事にしました。

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Route 85, also known as "Awase Bay Street" was closed to cars at noon and the street became like a ghost town. As walking toward where the heads of two ropes meet around 2 pm, I started hearing sounds of taiko drums, bells, and conch shell horns. Michi June-e entertainments took place at the intersection near Awase Bijuru Shrine. There were lion dance, taiko drum, ukulele, and eisaa performances. Men in black costumes with blue and red scarves wrapped around their heads were busy getting ready for the main event that would start later that night.


熱気あふれる大綱引会場
Ready, Get Set, Be Happy!


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午後7時過ぎに会場へ向かうと、テークドゥルーに明かりが灯され、大通りに鐘やホラ貝、太鼓の音が響き渡って、すでに綱引は始まっています。リズム良く鳴る鐘や掛け声に合わせて、黒の衣装に白の地下足袋、赤や青の「サージ」とよばれる布を頭に巻いた数人の若者が大綱の先頭に乗って旗を振っています。余談ですが、沖縄のサージは魔法のグッズで、頭に巻くと誰でも皆カッコよくなります。雄鶏のトサカやライオンのたてがみの様な効果でしょうか。

昼間とはうって変わって通りは人で埋め尽くされて(主催者発表5万人)、人気の居酒屋の屋台の前には20メートル以上の列ができています。あちこちの屋台から漂ってくる煙、通りすがる女性達の香水の匂い、中央分離帯に腰かけて焼きそばを食べる人、スマホを片手に会場にいる友達を探す人、ゲームの景品の光るオモチャやイヌの形の風船を引っ張って歩く子供達。皆、「祭り」という非日常の空間を楽しんでいます。

綱の引き始めから15分、どちらも互角に引き合い、会場には東と西を応援するアナウンスが響き渡ります。残り5分を切ると、さらなる熱気の高まりを感じます。

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心なしか綱を引く掛け声も大きく力強くなっています。制限時間30分で綱引が終了です。今年はどちらも2メートル以上引き込めず引き分けでした。

When I went back to the Bay Street little after 7pm, the street was filled with people and all kinds of sounds. The tag-of-war was already started. A couple of guys in black costumes were standing on top of the giant rope and cheering for their team. 15 minutes later, the rope did not move much to either side. And when they announced the remaining time was 5 minutes, voices got louder and both sides of people started to pull harder. At the end of 30 minute period, neither side pulled the rope more than 2 meters into their side, so it was draw. Still, nobody was mad or depressed, and they both cheered for each other and danced "kachaashii" (traditional Okinawan dance to express joy and happiness) on the rope.


大綱で広がる皆の輪
Everybody Gets Connected


再び道路の上に置かれて魂が抜けたような綱の上に座って皆が余韻を楽しみます。

写真を撮ったり、子供たちは綱の上に立ってポーズを決めています。偶然隣に座っていた人と言葉を交わしていると、面識の無いこの女性が姉の旦那の実家の向かいに以前住んでいた人だった事が判明。姪っ子たちの事もよく知っていました。きっかけは、以前住んでいた地域の綱引きの事を口にしたからでした。「沖縄狭いですね~」の決まり文句が思わず互いの口から出ます。すると、ほぼ同時にフィナーレを飾る花火が始まりました。


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伝統行事を通して色々な繋がりを実感します。過去からの伝統を繋ぐために準備に奔走した人たち同士が繋がって、巨大な綱が中央で繋がって、綱と引く人が繋がって、引く人と周りで応援する人たちが繋がって、そして偶然に出会った人と繋がって。綱引の後、家路へ向かう人の流れの中を少し幸せな気分で歩きました。

泡瀬の大綱は、この後、11月24日(土)〜 25(日)開催の「沖縄国際カーニバル2018」の大綱引きに再登場するそうなので、繋がりはまだまだ広がって行きそうです!

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Seems like the giant rope has a power to connect everything around it. It connects people of the past and the present day, communities, and everybody who came to see or joined the tag-of-war. The colorful fire works spread in the night sky at the end of the event, and everybody looked happy and satisfied. This year, the giant rope of Awase will be used again during Okinawa International Carnival scheduled on 24 and 25 November 2018 in Okinawa City. I'm sure that there will be more happy faces around the giant rope!


ラベル:文化・芸能
posted by Misa Alta at 20:56| 沖縄 ☀| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月28日

芸術の聖殿、浦添市美術館 Urasoe Museum, the Sacred Palace of Art, in Urasoe City, Okinawa

国道330号線、通称「バイパス」を宜野湾市から那覇市に向かって走り、伊祖トンネルを抜けると左手に浦添市陸上競技場や浦添カルチャーパークがあります。その中にある、周囲の建物とガラリと雰囲気の違う茶色の建物が浦添市美術館です。1990年に日本初の漆芸専門美術館として設立されたこの美術館は、作り手達が魂を込めた作品が安置される「芸術の聖殿」です。

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Urasoe Museum is located in Urasoe Culture Park on route 330, just south of Iso Tunnel, in Urasoe City. The museum was established as the first lacquer ware museum in Japan in 1990. There are hints of mixed cultures in the museum building where art pieces are enshrined like sacred mementos.

ボロブドゥール遺跡を彷彿させる外観 
Borobudur Temple in Urasoe!?


バイパス側の駐車場へ車を停めて建物を見上げます。

今まで私が持っていた浦添市美術館の印象は、「バイパスを通る時に見える、一見、北海道にありそうな建物」でした。この日駐車場から、階段状に重なる琉球石灰岩の石垣、その上にある四角い台座のような建物の上に八角形の屋根が乗っている姿を見てふと思い浮かんだのは、インドネシアにある世界最大級の仏教寺院遺跡「ボロブドゥール」でした。

夏空をバックに飛び出した屋根がまるでボロブドゥールの「ストゥーパ(仏塔)」のように見えます。

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When I parked my car at Urasoe Culture Park parking lot right by route 330 and looked at the museum, it reminded me of one of the biggest Buddhist temples in the world, Borobudur in Indonesia. There are limestone walls look like step pyramid and square buildings with octagonal domes that look like stupas sitting on top of the pyramid.

正面入り口へ向かう道
The Path to the Museum


駐車場から美術館正面入り口へ続く道沿いにはハイビスカスやハマユウ、プルメリアなど南国の植物が植えられています。綺麗に手入れが行き届いている気持ちのいいこの場所は格好のウォーキングコースのようで、向こうから女性が速足で歩いてきます。

入口へ続く階段下左手にあるピロティ―が涼し気です。昔々子供の頃、サントリーローヤルのちょっと不気味なテレビコマーシャルで初めて見た、ガウディの作品を思い起こさせます。

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これはガウディへのオマージュなのか?八角形の柱が立ち並ぶピロティ―の床には大きな八芒星のデザインが施されています。どうやら設計者は「八」にこだわりがあるようです。

There are hibiscus, plumeria, and beautiful tropical plants along the path to the museum. Right before going up the stairs to the entrance, there is a shaded area with octagonal pillars and, instantly, Park Guell in Barcelona came to my mind. I wondered if the architect designed this to pay homage to Gaudi. There are octagons on the ceiling and eight pointed stars on the floor as well.

直線の重なりが美しい美術館入口前の広場
The Court Yard


クワズイモやオオタニワタリが両脇に茂る琉球石灰岩の階段を上ると美術館入口前の小さな広場があります。

建物の壁は、出っ張った四角がデザインされたタイルで覆われています。広場には細長い教会の鐘の塔のような建物があり、小さな広場のシンボルになっています。

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真っすぐにそびえたつ姿、八角形の屋根、壁の凹凸のあるタイルの小さな市松模様の規則正しい影が美しいデザインです。エントランスホールや展示室は、四角い箱をいくつも連結したような直線的な美しさがあります。太陽の角度が少しずつ変わるのと同時にタイルの陰も動き、壁の表情が刻々と変わって行きます。

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どことも例えられない異国のような空間に、真っ青な夏空の下、深い緑色の琉球マツの枝や、色とりどりのクロトン、サンダンカの鮮やかな赤が柔らかさと涼しい木陰を作っています。

植え込みの中の木の枝から、丸い玉を繋いだようなつぼみがいくつも垂れ下がっています。サガリバナです。日没に咲き始め、甘い香りを放つという夏の夜を彩るサガリバナの花言葉は「幸運が訪れる」です。

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When you get to the top of the stairs, there is a small court yard in front of the entrance hall of the museum. The octagonal shaped tower stand straight up into the sky is covered with small tiles with 3D squares on the surface. The sun creates shadows underneath the tiny squares and the shapes of the shadow change constantly as the sun moves. The geometric shapes and straight lines of the museum buildings are really beautiful under the blue sky!

東西文化のクロスロード
Where The East Meets The West


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浦添市美術館を設計したのは、内井昭蔵(うちい しょうぞう)さんという戦後の日本建築史を代表する建築家です。ウィキペディアによると、祖父や父親も建築家で、父親は幾つかの教会の設計に関わっていて、子供の頃から教会で過ごす事が多かったようです。1984年に浦添市立図書館の設計も行っているので、浦添市とは縁の深い建築家です。

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内井さんは正教徒だったそうですが、手掛けた作品の中には教会だけでなく寺などもあります。

気になっていた「八」ですが、正教会でよく用いられる「八端十字架(はったんじゅうじか)」や聖堂の様式の一つである「星形(八角形の星)」、「スーリア・マジャパヒト(マジャパヒトの太陽)」と言う、インドネシアにあったマジャパヒト王国期(1293〜1478年)のヒンドゥー教の八芒星の形をした曼陀羅などがありました。ちなみに、海洋国家だったマジャパヒト王国は琉球王国とも交易を行っていたそうです! 

想像がどんどん膨らんでいきます。浦添市美術館がボロブドゥールのストゥーパのように見えるのも、その中に過去からの大切な記憶が安置される場所と考えていたからでしょうか?教会のような寺院のような様々な文化が混ざり合った浦添市美術館は、建築家がどういう気持ちでここを造ったのか色々な思いを巡らせてしまう興味深く美しい建物です。

Urasoe City Museum was designed by Mr. Shozo Uchii. He was a Japanese architect who played important role in Japanese architectural history. Mr. Uchii was also an Orthodox Christian and he had designed not only churches, but also temples in his lifetime. Seems like the designs used for Urasoe Museum have influence of many different cultures. Octagonal shape is one of the typical Orthodox church styles and it represents a star. In Majapahit Empire (1293-1478) in Indonesia, eight pointed star was called 'Surya Majapahit (The Sun of Majapahit)' and it is consist of nine Hindu deities in the center. And as already mentioned, whole building from the distance looks like Borobudur temple, and yet, geometric patterns are associated with culture of Muslim. Looking at this beautiful museum, my imagination goes wild and crazy!

一流アーティストたちも「いいね!」北斎の魅力
The HOKUSAI Exhibition


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沖縄タイムス創刊70周年記念および琉球銀行創立70周年記念企画展「江戸の天才絵師 葛飾北斎〜北斎漫画と富嶽百景(ふがくひゃっけい)〜」のポスター

そもそも今回浦添市美術館へ行ったのは、2018年7月14日(土)〜 9月2日(日)に開催されている「江戸の天才絵師 葛飾北斎〜北斎漫画と富嶽百景(ふがくひゃっけい)〜」の企画展を見に行くためでした。日本を代表する絵師で、富士山をバックに大波が小舟を飲み込んでしまいそうな『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』は多くの人が一度は目にした事があると思います。

今回の浦添市美術館での企画展では、全15編の「北斎漫画」(現代のいわゆるマンガではなく絵手本)と富士山をテーマにした「富嶽百景」が展示されています。北斎漫画には、江戸時代の人々や動物の仕草、表情がありのままの姿で描かれていています。だらしない姿で読み物をしたり、変顔をしたりと、現代の私たちのような日常の姿に親近感が湧きます。そして、ちょっとコミカルなタッチで描かれた人々が今にも動き出しそうに生き生きとしています。

また、富嶽百景は、まるで写真を撮るように斬新な構図で描かれています。富嶽百景はモノクロですが、冨嶽三十六景のような鮮やかなカラーの作品は、まさにインスタグラムの先駆けで、当時の人々に衝撃を与えたでしょう。北斎の絵のすごい所は、その切り取った一瞬の空気や音、匂いが絵から伝わってくる事です。そして、北斎の作品を見たヨーロッパの一流アーティスト達はこぞって北斎をパクります。ゴッホは、『星月夜の神奈川沖浪裏 』という北斎の作品と自身の代表作の一つの『星月夜』を合体させた作品を制作しましたが、これこそ一流アーティストが北斎へ送る最高の賛辞と言えるでしょう!

The reason that I went to Urasoe Museum this time was to see The HOKUSAI Exhibition that is held between 14 July - 2 September 2018. Hokusai Katsushika (1760 - 1849) was one of the most popular and talented artists of Japan. I think many people have probably seen The Great Wave off Kanagawa before. Hokusai became very popular in Europe as well and artists such as Gogh, Monet, and many more painted or created works with influence of Hokusai.


浦添市美術館
住所:沖縄県浦添市仲間1−9−2
電話:098‐879-3219
FAX:098‐878‐1221

Urasoe Art Museum
Address: 1-9-2 Nakama, Urasoe, Okinawa
Phone: 098-879-3219
FAX:098-878-1221




ラベル:文化・芸能
posted by Misa Alta at 09:22| 沖縄 ☀| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする