宇宙に一番近い場所! 恩納村のJAXA沖縄宇宙通信所 JAXA Okinawa Tracking and Communications Station in Onna Village

2018年ゴールデンウィーク、恩納村ではすでにセミが鳴き始め、山ではソウシジュの黄色い花やイジュの白い花も咲き始めています。連休の前半が終了し、後半に入る合間の平日を狙って沖縄で宇宙に一番近い場所、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、通称JAXA(ジャクサ)の沖縄宇宙通信所を見学しました。

In 2003, Japan’s three Aerospace institutions were combined and Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) was established. JAXA Okinawa Tracking and Communications Station, former Okinawa Radiowave Tracking Base, was originally established in February 1968. Some areas of the facility are open for public between 10:00 – 17:00 everyday (the facility may close without advance notice).

In 2003, Japan’s three Aerospace institutions were combined and Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA) was established. JAXA Okinawa Tracking and Communications Station, former Okinawa Radiowave Tracking Base, was originally established in February 1968. Some areas of the facility are open for public between 10:00 – 17:00 everyday (the facility may close without advance notice).

沖縄宇宙通信所 The Okinawa Tracking and Communications Station

国道58号線を恩納村安富祖にあるホテル「ジ・アッタテラス クラブタワーズ」向けに進むと、「沖縄宇宙通信所」の道路標識が現れます。畑の間の細い道を案内板に沿って進んで行くと、大きなパラバラアンテナや巨大なサッカーボールのような白いドームが現れます。

沖縄宇宙通信所は1968年2月に旧科学技術庁宇宙開発推進本部の「沖縄電波追跡所」として発足し、2003年10月にJAXAの施設となったそうです。主な業務は人工衛星の追跡管制で、衛星から発信される信号を取得(追跡)して、衛星の動きに修正が必要な時に指令信号をアンテナから送信(管制)しているそうです。沖縄宇宙通信所が通信管制を行っている主な衛星は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」や水循環変動観測衛星「しずく」、惑星分光観測衛星「ひさき」、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」だそうです。

読んで字のごとく、宇宙と通信しているこの施設は、年中無休、毎日10:00~17:00の間に無料で見学する事ができます(臨時休館有り)!

The Okinawa Tracking and Communications Station (the Station) is located near The Atta Terrace Club Towers hotel in Afuso, Onna Village. There is a sign on Route 58, so follow the sings. As you get close to the Station, you will see big parabolic antennas and round domes which look like huge soccer balls.

施設見学 Visiting the Station

2018年5月時点、沖縄宇宙通信所は改修工事のため建物はカバーで覆われていて、一部入れない展示室もありますが、施設見学は可能です(工事終了予定は7月頃)。入口で受付に職業、年齢、人数、住んでいる場所の記入をして、スリッパに履き替えて建物内に入ります。

それ程大きな場所ではないのですが、色々な展示物が揃っています。エントランスには、宇宙から見た沖縄本島の写真と沖縄宇宙通信所の模型、「人工衛星打ち上げ記念デカール」が飾られています。

デカールは、打ち上げられるロケットなどに張られるロゴのステッカーのようです。残念ながら第一展示室は工事中で見学できませんでした。第二展示室には、宇宙に関しての素朴な疑問や質問(運動はしなくていいの?食べ物は?寝るときは?トイレは?など)への答えがあります。

そして、よくニュースなどで耳にする「国際宇宙ステーション(ISS)」の1/300模型やISSに接続されている日本実験棟「きぼう」の1/50模型、そして「きぼう」についての説明があります。「きぼう」がISSの中で一番大きい実験室である事や、日本だけの通信システムがある事、2つの窓から地球が見える事など、興味深い情報が紹介されています。

この展示室では、2017年12月から約半年間の予定でISSに長期滞在している金井宣茂(かない のりしげ)宇宙飛行士の訓練の様子や宇宙からのウィークリーレポートも展示しています。限られた資源と空間のISSで色々な国の乗組員達と長期間過ごすには、互いの理解と協力が無くてはならないだろうなと感じます。これは地球上の私たちにそのまま当てはまる事で、ISSはまるで人間が作った小さな地球のようです。

Most of the exhibitions are introduced in Japanese, however, if you can speak Japanese and read hiragana and katakana, you may be able to understand them since there are “furigana” for most of kanji characters.

第3展示室 Exhibition Room 3

第3展示室には、日本が打ち上げた人工衛星の模型などが展示されています。日本で最初の実用試験衛星「きく」1号は打ち上げの日の9月9日が「菊の節句」だったのが名前の由来というトリビアも紹介されています。展示室には、旧追跡管制設備も展示されています。

説明によると、筑波宇宙センターで電波を操作する以前の平成18年(2006年)ごろまでは沖縄宇宙通信所でも追跡管制設備を使って操作していたそうです(現在は人工衛星と筑波宇宙センター間のデータ送受信の中継を行っているそうです)。丸い計器が目玉のような旧設備の管制卓は、温かみや親しみを感じます。

管制卓のとなりにあるのは体験型機材「はやぶさシミュレータ」です。「打ち上げ」「スイングバイ」「タッチダウン」「通信途絶からの回復」「大気圏再突入」の5つのミッションに挑戦でき、各ミッション終了後に点数が付いた修了証がもらえます。

私の打ち上げた探査機は、ついに地球へ戻ることは無かった・・・。

普段ゲームをしない私には、なかなか難しく、何度かトライしていると全ミッションを終えるのに1時間ほどかかってしましました(最後の3つのミッションは全て失敗に終わった)。

ミッション終了後、はやぶさが大気圏に突入して燃え尽きる映像には切なくなります。そして、はやぶさから地上へ送られた最後の映像には思わず胸がいっぱいになります。シミュレーションの後だったので、自分が実際にミッションに関わったかのように、思わず感情移入してしまいます。

As of May 2018, the Station is under renovation and, unfortunately, Exhibition Room 1 is not open for public (the renovation is scheduled to be finished in July 2018). In Exhibition Room 3, there are miniature satellites, and old mission control desks which were used in the Okinawa Station until Tsukuba Space Center took over the role in 2006. Right next to the mission control desks, there is “Hayabusa Simulator” which you can try missions of Hayabusa asteroid probe that traveled in space for 7 years and successfully returned the samples from asteroid “Itokawa” to Earth in 2010!

宇宙情報ルーム/ビデオルーム PC Room/Video Room

思いがけず宇宙管制室で働く体験ができて大満足です。第3展示室を出て向かいの「宇宙情報ルーム」へ入ります。

入ってすぐ右手に、宇宙服を着た自分の顔写真入りのポストカード作成(合成写真)の無料サービスがあります。そして、宇宙に関しての本や、パソコンで観るロケット打ち上げ映像、人工衛星についての説明、「宇宙版ゲームにチャレンジ」などがあります。はやぶさのシミュレータで憔悴しきっていたので、宇宙版ゲームはパスします。

「宇宙飛行士選抜試験にチャレンジ!」は宇宙飛行士選抜試験の長期滞在適性検査でも行われた事があるという、鏡を見ながら星の図形を鉛筆でなぞるテストです。簡単にできた、という人は宇宙飛行士になる素質があるかもしれません!

宇宙情報ルームの隣にはビデオルームがあり、沖縄宇宙通信所についてや、その他さまざまなビデオを観る事ができます。私がビデオを観ようととした時に、機材の調子が悪くなってしまったのですが、ランチタイム(だったと思う)にも関わらず、親切な職員の人が3名もやって来て直してくれました。皆さんどうもありがとうございました!

In PC Room, you can make a post card of you in spacesuit (combine photo), play space game, and try one of the tests that was used as aptitude test to select astronaut. In Video Room right next to PC room, you can watch videos in Japanese.

ミッション・ポッシブル! Mission Possible!

各展示室の間にある廊下にも宇宙や人工衛星についての情報パネルが展示されています。

「日本の人工衛星・探査機打ち上げ一覧」は1970年代から2015年までの間に、いつどれくらい衛星や探査機が打ち上げられたかが一目瞭然です。70年代後半から90年代後半まで多くの打ち上げが行われていて、2000年にパタリと無くなり、2001年から再開されています。

そして、あて先の無い、切手と消印だけが付いた柄入りの封筒も展示されていますが、これは「銀座わたなべ」製作の「スぺースカバー」と呼ばれるもので、「わたなべ」のサイトの説明によると「欧米ではロケットなどの打ち上げを記念してロケットや衛星のデザインを印刷した封筒に郵便局で打ち上げの日のスタンプを押印する≪スペースカバー≫が作られる」そうで、1980年「あやめ2号」から2012年7月21日の打ち上げまでのスペースカバーが製作されたそうです。

宇宙開発の事業には、実際のJAXAのミッション以外でも様々な分野で沢山の人達が関わっているんだなと実感します。施設を見学、体験する事で、映画やニュースで見るだけの宇宙がぐっと近くなる沖縄宇宙通信所。毎年10月頃「宇宙の日」の施設一般公開や恩納村の「うんな祭り」での「宇宙展」などイベントも開催しているそうです。詳しい情報はJAXAウェブサイトの広報や「ファン!ファン!JAXA」のサイトをチェックしてください。JAXAのサイトには、10日先までの「『きぼう』/ISSの目視予想情報」も掲載されています!

There are more information boards and exhibitions on the walls of the hall way as well, and one of them is “space covers”. Space covers were made by Ginza Watanabe, using Japanese handmade paper and traditional woodblock print in design, between 1980 – 21 July 2012. There are also events held by the Okinawa Station every year around October for “Space Day” and “Unna Matsuri (Onna Festival)”. For more information, please check the Okinawa Tracking and Communications Station and JAXA websites. Come and join the mission!