冬こそ訪れたい、海洋博公園 熱帯ドリームセンター Tropical Dream Center at Ocean Expo Park in Okinawa

2017年クリスマスから年末年始にかけて、天候にも恵まれて暖かい日が続いていましたが、成人の日を境に気温も下がり始め、沖縄にも本格的な冬が到来しました。1月の平均最低気温は13度~14度ほどですが、どんより曇り空で強風の日も多い冬の沖縄では、気温が14度の時でも体感温度は零度~4度と言う事もしばしばあります。

そんな南国沖縄が極寒の地と化した時にも色鮮やかな熱帯植物を楽しめるおすすめの場所が、海洋博公園内にある、その名も「熱帯ドリームセンター」です。年末に手にしたチラシで知った展覧会、『ウィルソンが見た沖縄 ー琉球の植物研究史100年とともにー 』の巡回展が熱帯ドリームセンターで2017年11月3日~2018年1月7日まで開催される事を知り、正月、集まった家族と一緒に久しぶりに熱帯ドリームセンターへ出かけました。

During the winter, there are many days with cloudy skies and strong north winds blowing in Okinawa and the place becomes far from “tropical island”. However, at Tropical Dream Center in the Ocean Expo Park in Motobu Town, you can enjoy flora and fauna of tropical and subtropical regions all year around!

華やかなランの温室
Greenhouses of Beautiful Orchids

熱帯ドリームセンターへ私が最後に来たのは十数年前でした。色々な場所が目まぐるしく変わる沖縄で、ドリームセンターに入ると、建物やクロトンパティオに置かれたタイル張りのベンチが20年ほど前と変わらず、懐かしくほっとします。

順路に沿って進むと、一番最初にある温室が「ファレノプシス温室」で、日本では「胡蝶蘭」の名で親しまれているランです。温室に入ると、白の胡蝶蘭の壁が出迎えてくれます。

温室内にはランの他にもヒカゲヘゴや園芸店などで見かけるアンスリウムなどの熱帯の観葉植物もあります。先へ進むと、ピンク、オレンジ、黄、斑点模様など、色鮮やかな胡蝶蘭が温室内を彩ります。

葉の形が鹿の角に似ている事からビカクシダ(鹿角羊歯)と呼ばれる別名コウモリランの立派な株を見ていると、温室内にいた職員の女性が「上向きの葉と下向きの葉にそれぞれ違う役割があるんですよ」と教えてくれます。この日は参加しなかったのですが、ドリームセンターでは無料のフラワーガイドツアーや熱帯植物学習・観察ツアーも行っています。また、チケット売り場では「PDA音声ガイド」の貸し出しも無料で行っていて、時間に縛られずに自分のペースで見て回れるのでおすすめです。

ファレノプシス温室の後は、土を必要としない着生ランの「バンダ温室」、甘い香りに包まれた華やかな「カトレア温室」へと続きます。

ランの温室内では、香料になるバニラや沖縄島固有種で絶滅危惧種のオキナワセッコクも栽培・展示されています。

Right after entering the Tropical Dream Center, there are three greenhouses of different genera of orchids: Phalaenopsis Greenhouse, Vanda Greenhouse, and Cattleya Greenhouse. There are so many different colors and shapes of beautiful orchids displayed in the greenhouses and some of them are rare and/or endangered species. To get information about plants and the facility, you can get free rental Personal Digital Assistant (PDA) device in Japanese, English, Korean, Simplified Chinese and Traditional Chinese at the ticket booth at the entrance.

不思議な果物がいっぱい、果樹温室
Fruit Tree Greenhouse

ランの温室を抜け表へ出ると、ピンク、紫、オレンジ、黄緑と鮮やかな色彩のブーゲンビリアやコリウスが空間を彩り、ネッタイスイレンが浮かぶロータスポンドもあります。ネッタイスイレンは、この時期でもピンクや紫の花を咲かせています。

ロータスポンドを後にして、熱帯果樹が栽培されている暖かな果樹温室へ入ります(寒い日はまさに楽園です!)。鳥の声が熱帯の森を演出するこの温室内では、世界一大きな果実と言われる人の頭ほどの大きさのパラミツ(ジャックフルーツ)や丸い実が砲丸に似ている為、ホウガンボクと呼ばれる木、チョコレートの原料になるカカオ、その他、沖縄の道の駅などで時折目にするスターフルーツやカニステルなども展示されています。

カカオの実は、熟すと黄色いフットボールのようになる。 Fruit of Cacao

Outside of the Cattleya Greenhouse, there are colorful bougainvillea and coleus around the Lotus Pond. I was surprised to see pink, purple and white Tropical Water Lily flowers in bloom under cold January sky. Walking into Fruit Tree Greenhouse, you will see interesting shapes and names of tropical fruits. I was able to see cacao, which is the ingredient of chocolate, bearing fruits on the tree!

回廊とバベルの塔
Gallery and the Tower

熱帯ドリームセンターの一番奥にある回廊で、目的の展覧会が行われていました。この展覧会は沖縄県立博物館・美術館と一般財団法人沖縄美ら島財団の主催で行われたもので、英国人プラント・ハンターのE.H.ウィルソンが1917年(大正6年)に沖縄で撮影した写真が大型印刷で展示されていました。

立派な琉球松並木の宜野湾街道や、砂浜に並ぶサバニがのどかな名護湾、嘉手納の比謝矼、そして瓦屋根や茅葺屋根の民家が立ち並ぶ那覇の垣花など、在りし日の沖縄の人々や植物、美しい風景が写真に収められていて感動しました。

この回廊横には軽食やドリンクが楽しめるカフェ「スコール」もありますが、回廊隣にある展示室の先、催物展示室内には、飲食OKの休憩コーナーもあります。

空調の効いた室内なので、寒い日も暑い日もゆっくりできる穴場スポットです。この日はおせち料理を弁当にして持って来ていたのでここでゆっくり、くつろぎました。

休憩コーナー隣にあるやんばるの森を紹介するコーナー Exhibition hall of Yanbaru Forest

この後、熱帯ドリームセンターのシンボル、高さ36m(約8階建ての高さ)の遠見台へ階段で登りましたが、頂上へ着いた時にはかなり息切れしてしまいました(エレベーターも有)。

ここからは古代遺跡のようなドリームセンターの建物や東シナ海を一望でき、中庭中央のチューリップ畑がハート型になっている事に気が付きます。

ところで、初めてこの遠見台を見た時には「バベルの塔だ」と思いました(熱帯ドリームセンターは1986年に開園)。以前は、回廊に黒ヒョウのオブジェも置かれていて、まさに子供の頃に見たアニメ「バビル2世」を彷彿させる場所でした(昭和!)。

Gallery is located at the far end of the Tropical Dream Center and there are African Baobab trees at the center of the Gallery. Seeds of baobab tree were planted in 1979 and the flowers bloomed in 1999 for the first time in Japan. And then, the tree bore fruits in 2000 also for the first time in Japan. Right next to the Gallery, there is Cafe Squall where you can have light meals, drinks, and desserts. Also, near there, there is Exhibition Room for Events with rest space with AC on. You can climb 36m high observatory tower next to the Gallery to enjoy view of East China Sea with Ie Island, Sesoko Island and Izena & Iheya Islands (elevator is also available ).

中庭とビクトリア温室
Courtyard and Victoria Greenhouse

遠見台を下りて、中庭へ向かいます。むき出しになった土の間から小さなチューリップの芽が出ています。2018年1月13日(土)~ 28日(日)にかけて開催される「チューリップフェア」の為に8万株の色とりどりのチューリップが植えられているそうです。

中庭のチューリップ畑と果樹温室 Tulip field at the Courtyard and Fruit Tree Greenhouse

熱帯ドリームセンターではこの他にも様々なイベントが年間を通して行われていて、毎年1月後半から2月前半頃に開催される「国際洋蘭博覧会」は2018年に32回目を数える、国内では最も古いラン展だそうです。ちなみに、今年の洋蘭博覧会の開催期間は2月3日(土)~ 12日(月)です。
中庭を通過した後は、アマゾンの熱帯植物や魚が観察できる「ビクトリア温室」へ入ります。

温室内には池もあり湿度が高く、この日は目にしなかったのですが、葉が1m以上になって子供が乗っても沈まないという、パラグアイオニバスなどの水生植物や湿性植物、そして食虫植物も展示されています。

温室の地下からは、この池にいる珍しい魚を観察する事もできます。生きた化石とも呼ばれる、体長約2.5mの巨大魚「ピラルク」は鎧の様な銀色の顔がピクリとも動かず、始めは置物かと思いました。このすぐ後にタイミングよく餌の時間になり、泳ぎ回る姿を見ることができました。

こわもての顔も正面からみると愛嬌がある。「コンニチハ!」 Pirarucu says “Kon-nichiwa!”

自然界では、大きいものは体長5mほどにまで成長するそうで、硬くて大きなウロコは靴ベラとしても利用されるそうです。

There are many events held at the Tropical Dream Center throughout the year.
Between 13 – 18 January 2018, “Tulip Fair” with 80,000 tulips will be held and “Okinawakokusaiyoranhaku*kai 2018 (Okinawa International Orchid Exhibition 2018)” will be held between 3 – 12 February 2018. After passing the Courtyard, there is Victoria Greenhouse where you can observe tropical aquatic plants and fish. From the basement of the greenhouse, you can see 2.5m long “Pirarucu” (Arapaima gigas) and other interesting fish of the Amazon.

ロータスポンド
Lotus Pond

ビクトリア温室の外は、果樹温室に入る前に見たロータスポンドの反対側です。天気が良ければ、モネの『睡蓮の池』気分にひたって、池の周りにあるベンチに座ってぼんやりするのも気持ち良さそうです。

「熱帯ドリームセンターTOUR GUIDE」パンフレットによると、園内は標準コースで約1時間、短縮コースで約30分と案内されていますが、ここへたどり着くまでに2時間程経っていました。見どころが沢山ある熱帯ドリームセンターは、時間をかけてゆっくりと見て回りたい秘密の園のような場所です!

2018年1月時点の入場料は大人690円、小人350円、六歳未満入場無料です。尚、水族館チケットを提示で、割引料金の大人340円、小人170円で入場できます。また、無料入館日や休館日も設けられているので、前もって海洋博公園ホームページで確認する事をおすすめします(熱帯ドリームセンターは2018年2月1日(木)と2月13日(火)は休館日です!)。

車で来園する場合は、ドリームセンター入口すぐ近くにある駐車場P8が便利です。

Outside of the Victoria Greenhouse is the other side of Lotus Pond that you saw earlier. It is peaceful place and reminds me of Monet’s Water Lilies. There are benches around the pond, so if the weather is good, this will be a nice place to daydream. As of January 2018, the admission fees of the Tropical Dream Center are 690 yen per adult and 350 yen per child (5 years old and younger will be free). If you have Churaumi Aquarium ticket, you can get discount price: 340 yen per adult and 170 yen per child. There are also free admission days and closed days, so better to check Ocean Expo Park website before you go (Tropical Dream Center will be closed on 1 & 13 February 2018!). Parking Area P8 is located very close to the entrance of Tropical Dream Center.


熱帯ドリームセンター(海洋博公園管理センター)
住所:沖縄県国頭郡本部町字石川424番地
電話:0980-48-2741
Fax: 0980-48-3339

Tropical Dream Center (Ocean Expo Park Management Center)
Address: 424 Ishikawa, Motobu, Okinawa
Phone: 0980-48-2741
Fax: 0980-48-3339