2017年01月29日

梅の花咲き乱れる隠れ里、名護市源河の「オーシッタイ」Oshittai, the Hidden Village in Nago, Okinawa


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2017年1月28日(土)は旧暦の1月1日です。週の初めは冷たい北風が吹く寒い日が続いていましたが、この日は青空が広がり、新春と呼ぶにふさわしいポカポカ春の陽気です。1月の沖縄は日本一早い桜の開花で有名ですが、名護市源河の山の中にひっそりとたたずむ小さな集落「オーシッタイ」では梅の花も見頃です。まるで隠れ里のようなオーシッタイの舗装もされていない道の先には、ジブリ映画に出てきそうな素敵なお店がありました。

"Oshittai" is a small area located in the mountains at the edge of Genga in Nago City.

その名も不思議な「オーシッタイ」!
History of Oshittai


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オーシッタイは漢字で「大湿帯」と書くそうですが、通常は「オーシッタイ」と表記されています。ここは明治12年(1879年)の廃藩置県の後、首里から人が移り住んで出来た集落だそうです。一番近い県道14号線や国道331号線から、さらに数キロ先の山の中、と言う不便な場所で、なんと1982年に沖縄県内で一番最後に商用電気が通った地域だそうです。

オーシッタイに移り住んだ人々は、やはり生活が不便だ、という理由で次々と山を下り、最後は一人のおじいさんが住むだけの場所になっていたそうです。そして、そのおじいさんも、いよいよ山を下りようと考えていた時、オーシッタイでタンカン(沖縄で栽培されているスッキリした甘さの柑橘類)の栽培を行いたい、と言う一人の男性が現れた事でおじいさんもそこに留り、集落の消滅は免れたそうです。

2017年1月時点、オーシッタイには12世帯、約30人が暮らしているそうです。タンカンの栽培を始めた男性は、現在90代で、高齢のため山を下りて首里で暮らしているそうです。今や、梅の名所となって沖縄各地から人々が訪れるオーシッタイを救ってくれた男性に感謝です!

In 1879, when new Japanese Government abolished the "han" system and established Okinawa Prefecture, many people left Shuri, where was the center of Ryukyu Kingdom, and moved to northern part of Okinawa Island. Oshittai was formed by those people who moved from Shuri. Oshittai is located in the middle of the mountains (a couple of km away from either Route 14 or Route 331) and there was no commercial electricity available until 1982!

花びらが舞う、白梅の並木道
Beautiful White Plum Blossoms


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オーシッタイの集落入口付近には手書きの「道あんない図」が設置されています。集落の中をぐるりと円を描くように道が走っていて、その中央を川が流れています。「梅の道」は集落の南側にあります。オーシッタイ東側の農道を左折して集落へ入ると、小さな白い梅の花を付けた木が道の両脇に並んでいます。

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1月後半なので、もう散ってしまったかな、と心配していたのですが、まだ十分楽しめるくらいの花が咲いています。週末なので家族連れもやって来て、子供たちが嬉しそうに並木道を歩いて行きます。

沖縄でよく見るヒカンザクラ(又はカンヒザクラ)は本土で見るソメイヨシノのように、花びらを散らすことなく、花ごと落ちてしまうのですが、オーシッタイの梅並木は、白い花びらが風にヒラヒラと舞い、風情があります。林の奥からせせらぎの音も聞こえてきます。春のような陽気と相まって、本当に隠れ里へ迷い込んでしまった気分です。

Yanbaru, northern part of Okinawa Island, is famous for cherry blossom festivals that are held at the end of January and early February every year. In Oshittai, you can also enjoy beautiful white plum blossoms during month of January. There is a hand drawn street map at the entrance of Oshittai. The plum tree road is located at the southern part of the village. The village is very quiet and peaceful. I walked down the road with white plum blossoms blooming both sides, and heard the sounds of running water behind the trees. The place is almost like a hidden village in Japanese old stories.

カフェ「しゃし☆くまーる」と常盤さん夫妻
Mr. and Mrs. Tokiwa


梅並木を通り過ぎてそのまま集落内の道を北へ進んで行くと、舗装道路が途切れて幅の狭い未舗装の道へ変わります。うっそうとした山道を進むと、林の中にたたずむカフェ「しゃし☆くまーる」がありました。

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例のごとく、犬と一緒に座れる外の席があるか尋ねると、「縁側の席なら大丈夫ですよ。」とカフェのオーナーの常盤知裕(ときわ ともひろ)さん、智子さん夫妻が答えて、案内してくれました。

野菜畑が広がる庭に面した、日当たりのいい縁側に腰をかけてケーキセットを頼みます。すてきな場所なので、ブログでカフェを紹介してもいいか尋ねると、

「実は1月29日でカフェは閉店するんです」

との事。この日が28日なので、翌日が最終日です! 私が残念がると、「でもハチミツの販売はここで続けます」と言います。

実は知裕さんはオーシッタイで「蜜蜂ファーム・ときわ」を経営している養蜂家で、カフェでも知裕さんの「はちみぃちゃんのはちみつ」を販売しています。

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静岡出身の常盤さん夫妻は1996年に暖かい沖縄へ住みたい、という理由で沖縄へ移住してきました。沖縄へ住むなら、以前訪れて気に入ったオーシッタイに住みたい、と物件を探したそうです。そしてオーシッタイにある藍染の工房で世話になりながら、しばらくして土地を地主さんに譲ってもらったそうです。

最初は小さな小屋を建てて、夫婦とその当時4歳だった息子さんで暮らし始めたそうです。「すごいですね。すごく楽しそう!」と言うと、智子さんが懐かしそうに「楽しかったですよ」と言います。藍染工房と近所に年の近い子供達もいたそうで、少し離れた場所にある学校への送り迎えもみんなで代り番こにやっていたそうです。

その後、現在カフェのある建物を建てて、少しでも体にいいモノが食べたいから、と庭で野菜を作っているそうです。立派なタンカンの木には美味しそうなオレンジの実もなっています!庭からみたカフェのたたずまいは、さながら「トトロ」の世界です。

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If you keep going on the road towards north from where plum trees are located, the street gets unpaved and narrow. After a little while, you will find a cafe "Shashi Kumar(しゃし くまーる)". The owners are Mr. Tomohiro Tokiwa and Mrs. Tomoko Tokiwa. They are originally from Shizuoka Prefecture and moved to Okinawa in 1996. Only reason they came to Okinawa was "because we wanted to live in somewhere warm". Mr. Tokiwa had visited Oshittai before moved to Okinawa and fell in love with the place. So, when they moved to Okinawa, they decided to find a place there. The cafe is very cozy and there are beautiful vegetable gardens in the back yard. After I ordered coffee and cake, I found out that the cafe would be closed and the last day was 29 January 2017! I was very disappointed, but Mrs. Tokiwa told me they would still be selling honeys at the store. Mr. Tokiwa is a bee keeper and produces organic honey in Oshittai.

蜜蜂ファーム・ときわの「はちみぃちゃんのはちみつ」!
Honeybee Farm Tokiwa


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やんばるに出かける事がよくある人は、どこかで目にした事があると思いますが、なぜか泣き顔のハチがラベルになっている「はちみぃちゃんのはちみつ」が蜜蜂ファーム・ときわの商品です。

ときわのハチミツは、無添加、非濃縮100%で、「抗生物質農薬を使っていないオーガニックはちみつ」です。ラベルを見て、私も以前に購入した事があったのを思い出しました。その時買ったのは、方言でサシグサと呼ばれる、タチアワユキセンダングサの蜜です。

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サシグサ(タチアワユキセンダングサ)


少し苦みがあるのですが、なんとなく懐かしい味のハチミツでした。この他にも、にが蜜(フカノキの蜜)、イジュの蜜、アカミズキの蜜などがあるそうです。

この日店頭に並んでいた、にが蜜(200g入り/700円)は3〜4年に一度しか採れないそうなので貴重です!イジュやアカミズキからは年に一度、花の咲く初夏に、そしておなじみのサシグサからは、年に二度ハチミツが採れるそうです(どこにでも咲いているので納得)。

この日のケーキセットにはにが蜜が添えられていました。手作りの木の実のケーキ(マーガリン、ベーキングパウダー不使用)にかけて食べると、ハチミツの苦みがいいアクセントになって、ケーキを引き立ててくれます。カフェが閉店するのは、本当に残念です…! 

ときわでは、ハチミツの他に、沖縄県産の蜜ろう(蜜蜂の巣)とイタリア直輸入のExオリーブオイルだけで作った「みつばちクリーム」(35ml入り/1000円)の販売も行っています。Exオリーブオイルは紫外線のUV-Bから肌を守り、日焼けを防ぐ働きがあると言われているそうで、フェイス、リップ、ハンド、そして全身に使用可能だそうです。

みつばちクリームが気になったのですが、この日、おしゃべりをして店を出て、家に着いてからクリームを買うのを忘れた事に気が付きました。今度また、オーシッタイを訪ねるイイ理由ができました。

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窓辺にあるハチミツのオブジェが面白い!


According to Mrs. Tokiwa, they sell 100% pure honeys without any food additives. Also it is organic honey free from antibiotic pesticide. They have Bitter Honey from Fukanoki tree, and honeys from Iju trees, Akamizuki trees, and Sashigusa flowers. All of them are plants grow in Yanbaru area in Okinawa. Another product of Honeybee Farm Tokiwa is Honeybee Cream. It is made only from beeswax collected in Okinawa and extra olive oil directly imported from Italy. You can use the cream for your face, lips, hands, and all of your body. After I got home that day, I realized that I forgot to by the cream. Now, I have a good excuse to visit Oshittai again.

蜜蜂ファーム・ときわ  
住所:沖縄県名護市字源河(オーシッタイ)2523−5 
電話:0980−55−8360

Honeybee Farm Tokiwa
Address: 2523-5 (Oshittai) Genga, Nago, Okinawa
Phone: 0980-55-8360


posted by Misa Alta at 16:20| 沖縄 ☔| 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする